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食欲の秋に知っておきたい、虫歯リスクを減らす食べ物と間食のコツ

2022/09/26 09:18 ウェザーニュース

食欲の秋、旬の食べものを味わう機会も増えますが、心配なのが虫歯です。虫歯になりにくい食べ物や、間食のコツなど、恵比寿一丁目 小島デンタルクリニック(東京都渋谷区)の小島将太郎院長に教えていただきましょう。

食事が口内環境に影響

そもそも、なぜ食べものを食べることが、虫歯のリスクになってしまうのでしょうか。

「口の中の酸性化が、虫歯の大きな原因になります。酸性とアルカリ性の値を表わす単位をpH(ペーハー)値といい、低いほど酸性が強く高いほどアルカリ性が強くなります。

口の中のpH値は通常6.8~7の中性に保たれていますが、何か飲食した後には、いわゆる虫歯菌が食べかすをエサに増殖して酸を作り、酸性度が高まっていきます。

飲食物を採った前後の口の中のpH値の変化を示すグラフを『ステファンカーブ』といい、虫歯になりやすい状態かどうかの指標となっています。

pH値が5.5以下の酸性が強い状態になると、酸によって歯の表面のエナメル質からリンやカルシウムなどのミネラルが溶け出す『脱灰』が起きます。この脱灰が虫歯につながる大きな要因になります」(小島院長)

虫歯リスクを減らす食べ方と食べ物

虫歯リスクが増す要因には、まず食べ方があるといいます。

「食後に酸性化した口内は、唾液の効果で次第に中性に戻っていきます。口の中が酸性から中性に戻るには、20分~1時間ほどかかるとされています。

しかし、食べる回数や時間が増えると、唾液の作用が弱まり、歯が酸にさらされる時間が長くなってしまいます。つまり、間食など食事の回数が多い人やダラダラと長く食事をする人は虫歯リスクが高くなってしまうので、こうした食べ方は避けた方が良いでしょう」(小島先生)

さらに、虫歯を招きやすい食べ物にも注意しましょう。

「よく甘いものは虫歯の原因とされますが、それは虫歯菌が糖分をエサとして増殖し、酸を作り出すからです。特に、キャラメルなどのように甘く、歯にくっつきやすく口の中に長く残る食べ物は、虫歯菌に長時間エサを供給することになります。

また、酸っぱい食べ物もpH値が低いものが多く、歯が溶けやすいので注意が必要です」(小島先生)

虫歯になりにくい食べ物はあるのでしょうか。

「糖分が少ない、口のなかに残りにくい、歯にくっつきにくいものは、比較的虫歯菌が増殖しにくい食べ物なので、どうしても間食したい場合は、そうしたものを食べると良いでしょう。また、よく噛む必要のある食べ物は、唾液の分泌が促されるので、口内をきれいにしたり歯の修復に役立ち、虫歯リスクを軽減できます。

例えば、アーモンドなどのナッツ類、クラッカー、おせんべい、するめ、生野菜のスティック、ハードチーズなどがオススメです。

さらに、甘いものでも、りんごや梨、ぶどうのような水分・食物繊維の多いものは、糖分が口の中に残りにくいため、比較的虫歯になりにくいとされています」(小島先生)

食べた後のケアも忘れずに

食べた後にケアすることも重要だといいます。

「何か食べた後は、歯磨きで食べかすが口のなかに残らないようにしましょう。外出先などで歯磨きができないときは、少量の水を口に含んで勢いよくブクブクする、ブクブクうがいをすると良いでしょう。口の中を右側、左側、前歯と意識してブクブクすると、効果的です。

ただし、ブクブクうがいでは歯磨きの代わりにはならないので、正しいブラッシングにより口内をきれいにすることが基本です」(小島先生)

歯の健康は全身の健康にも影響を与えることが指摘されています。日々のケアを忘れずに、食欲の秋を楽しみましょう。

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