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“冷え性”と“汗っかき”は注意!? 9月に入って注意したい寒暖差疲労、対策は?

2022/09/12 10:19 ウェザーニュース

過ごしやすいはずの秋に、だるさや気持ちの落ち込み、頭痛、腹痛、ぐっすり眠れないなどの不調があるなら、寒暖差疲労かもしれません。

原因と対策について、ウェザーニュース天気痛顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生に教えていただきます。

秋の寒暖差に注意!

行楽の秋、食欲の秋というように、秋は楽しみがたくさんあるものです。しかし、体がだるい、お腹の調子がすぐれない、頭痛、肩こり、めまいなど、原因のわからない心身の不調を感じている人もいるようです。

佐藤先生は、「何となく不調を感じるのなら寒暖差疲労かもしれません。秋は、寒暖差や気圧変動から自律神経が乱れ、体調を崩すことがあります」と言います。

「よくある症状は、倦怠感や眠気、疲れやすさ、頭痛、腹痛や下痢など。気持ちの落ち込みなどうつ気分や睡眠障害として現れることもあります。睡眠障害は、寝付きが悪くなる、熟睡できない、途中で目覚めてしまうなどです」(佐藤先生)

なぜ、この時期に不調が出やすいのでしょうか。

「暑い夏が終わりに近づくと、朝晩が冷えるなど1日のうちでの寒暖差や、前日との寒暖差が大きくなってきます。体が冷やされることでものすごくエネルギーを使うことになり、疲れてしまいます。加えて台風などによる気圧変動も影響し、自律神経が乱れることがあるのです。

特に今年の夏は、猛暑を超え酷暑とも言われたひどい暑さでした。夏バテ気味になっていて、体力の回復ができていないところに季節の変わり目がやってきて、ダメージを受けている人は少なくないでしょう」(佐藤先生)

“冷え性”と“汗っかき”は注意!?

どのような人が寒暖差疲労になりやすいのでしょうか。

「体のスイッチの切り替えが苦手なタイプの人です。まず挙げられるのが冷え性です。

もともと夏は、汗をかいたり皮膚など末梢の血行がよくなったりと、体から熱を外に逃すようにセットされています。通常は、涼しくなるに従って、体が体温を保持するよう切り替わります。ところが、冷え性の人は末梢の血管が締まりにくく、体温を保持するように切り替えるのが下手なため、影響を受けやすいのです。

もう1つ寒暖差疲労になりやすいのが、汗をかき過ぎるタイプの人です。例えば、汗をたくさんかく人は、夏でも急に冷房に当たるとすごく冷えて疲れてしまうことが多いでしょう。いわゆる冷房病ですが、それが季節によって起きている状態です。暑いときと寒いときが交互に訪れ、体調を崩してしまうのです」(佐藤先生)

対策の決め手は「自律神経」

寒暖差疲労を改善するには、体を秋に適応させていくことだといいます。倦怠感などの症状がある人は、次の3つの対策を試してみるとよいそうです。

(1)軽い有酸素運動
散歩、ジョギング、サイクリングなどで体を動かし代謝をよくする

(2)入浴の工夫
夜寝る前に、40℃ぐらいのぬるま湯に5〜10分ほど浸かる

(3)耳を温めて血液循環をよくする
ホットタオルを耳に当てる、耳くるくるマッサージなどで血液循環をよくする
「寒暖差疲労の症状が出ている人は、自律神経を整えていきましょう。散歩やジョギングなどの軽い有酸素運動を取り入れて新陳代謝をよくしたり、お風呂にゆっくり浸かるなど体を温めます。

まだ夏の食習慣を続けてしまっていることも多いでしょうが、冷たい飲食物の取り過ぎには気をつけます。天気に合わせ、服装を調節するのも大切です。

また、秋はだんだん夜が長くなってくるので、日照時間が短くなり、うつ気分になりやすくなります。夜に活動してしまい睡眠時間が短くなる傾向もあるので、生活リズムを崩さないよう気をつけましょう」(佐藤先生)

頭痛やめまいなどの症状がある人は、首周りの血行をよくするのもよいといいます。

「冷えると筋肉がかたくなってくるので、首周りを温めます。入浴でもよいですし、気軽に行えるホットタオルや耳くるくるマッサージも効果的です」(佐藤先生)

季節は進み、10月にかけてますます気温は下がっていきます。寒暖差疲労というワードを思い出して、体を労っていきましょう。
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