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週刊地震情報 2022.7.31 25日(月)に静岡県東部で震度3 富士川河口断層帯の近く

2022/07/31 10:31 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は前週に比べて若干多い水準です。

東北から関東の太平洋側に加え、九州の周辺でやや地震が目立っています。また、深さ100kmよりも深い深発地震が複数起きました。震度3以上の地震は4回発生しています。(7月25日~31日10時の集計)

国内:静岡県東部のM3.5で震度3

静岡県東部の地震
25日(月)7時17分頃、静岡県東部を震源とするマグニチュード3.5、深さ14kmと推定される地震が発生しました。この地震で静岡県富士宮市で最大震度3、富士市や静岡市などで震度2を観測しています。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。

今回の震源は富士山のすぐ南西側ですが、富士山の活動との直接的な関連性はみられていません。ただ、近くには富士川河口断層帯が知られている領域です。

政府の地震調査研究推進本部は、富士川河口断層帯は駿河トラフで発生する海溝型地震と連動して活動すると推定しており、その場合はマグニチュード8.0程度の大きな地震になるとみられます。また、断層帯が単独で活動した場合はマグニチュード7.2程度が想定されています。

国内:八丈島東方沖でM5.3の地震

八丈島東方沖の地震
29日(金)4時53分頃、八丈島東方沖を震源とするマグニチュード5.3、深さ69kmと推定される地震が発生しました。この地震で東京都千代田区や神奈川県横浜市、静岡県伊豆の国市などで最大震度1を観測しています。地震のメカニズムは北東ー南西方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。

八丈島東方沖は太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界にあたり、規模の大きな地震の発生するケースがあります。今回の地震はプレート境界よりも東側で、大きな地震は境界よりも西側で多く起きています。

最近では2009年の地震がプレート境界の西側で発生し、マグニチュード6.6と規模が大きかったため八丈島で最大震度5弱、千葉県や神奈川県の沿岸部で震度3を観測しています。マグニチュード7クラスの地震も起きることがあり、その場合は津波に対する注意も必要です。

世界:フィリピンでM7.0の地震 大きな被害も

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は3回発生しています。最も大きな地震はフィリピンで発生したマグチュード7.0です。マグニチュード7以上の地震が起きるのは、5月26日以来、2か月ぶりになります。

日本時間の27日(水)朝、フィリピンのルソン島北部を震源とするマグニチュード7.0、深さ約10kmの地震が発生しました。地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

陸域の浅い地震だったため、震央周辺では激しい揺れに見舞われました。建物の倒壊などが発生し、亡くなった方もいるとのことです。

フィリピンはフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界に位置しているため、しばしば大きな地震が起きています。ルソン島の北部の陸域を震源とする地震はそれほど多くはないものの、少し南では1990年にマグニチュード7.7の大地震が発生し、甚大な被害に見舞われました。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。