熱中症の死亡数が急増している
近年、熱中症による死亡数が増えているそうですが、どのくらい増えているのでしょうか?
「熱中症による死亡数の推移を見ると、2001年から2005年までの5年間の平均死亡数は335人(年)でした。それが2016年から2020年までの5年間の平均死亡数となると、1117.8人(年)に増えています。
ここ15年間で死亡数が3倍以上になっているのです。特に近年は、年間1000人超えが続いています」(山口先生)
「熱中症による死亡数の推移を見ると、2001年から2005年までの5年間の平均死亡数は335人(年)でした。それが2016年から2020年までの5年間の平均死亡数となると、1117.8人(年)に増えています。
ここ15年間で死亡数が3倍以上になっているのです。特に近年は、年間1000人超えが続いています」(山口先生)
死亡数の内訳には、何か特徴がありますか?
「最大の特徴は、65歳以上の高齢者が8割を超えていることです」(山口先生)
「最大の特徴は、65歳以上の高齢者が8割を超えていることです」(山口先生)
高齢者が亡くなりやすい理由
なぜ、高齢者の死亡数が増えているのでしょうか。
「近年は夏季に高温となる日が以前よりも続出するようになりました。高齢者は体温の調整機能が低下して体に熱がたまりやすいのですが、加齢とともに暑さやのどの渇きを感じにくくなるので、自覚のないまま熱中症にかかり、適切に対処することなく重症化してしまうというリスクがあります。
高齢化の進展で、独居の高齢者が増えていることもあり、重症化しても誰にも気づかれないまま死亡したという例も少なくありません」(山口先生)
加えて、気になるデータもあります。令和3年の東京都の調査では、屋内で熱中症により亡くなった高齢者の約9割は、エアコンがあるのに使用していませんでした。
「熱中症の危険があるような暑い日でもエアコンを使わない高齢者が多いことも死亡数の増加に影響しています」(山口先生)
「近年は夏季に高温となる日が以前よりも続出するようになりました。高齢者は体温の調整機能が低下して体に熱がたまりやすいのですが、加齢とともに暑さやのどの渇きを感じにくくなるので、自覚のないまま熱中症にかかり、適切に対処することなく重症化してしまうというリスクがあります。
高齢化の進展で、独居の高齢者が増えていることもあり、重症化しても誰にも気づかれないまま死亡したという例も少なくありません」(山口先生)
加えて、気になるデータもあります。令和3年の東京都の調査では、屋内で熱中症により亡くなった高齢者の約9割は、エアコンがあるのに使用していませんでした。
「熱中症の危険があるような暑い日でもエアコンを使わない高齢者が多いことも死亡数の増加に影響しています」(山口先生)
高齢者の視点に立って多角的にケア
エアコンを使用しないなど、適切な熱中症対策ができていない高齢者には、その視点に立って周りの人がケアしてあげる必要があると言います。
「まずは、熱中症が死に至る可能性のある怖い病気であること、高温環境下に長期間いると発症リスクが増すことを認識してもらうことが大切です。
そして、年齢とともに適温がわかりづらくなってくる高齢者は、室内が何℃なの理解できていない場合が多くあります。体感に頼れないのであれば、室内の環境を目で見てわかるようにしてあげましょう。
具体的には、良く見えるところに大きめのデジタル温度計を設置してください。さらに“室温は28℃以下に!”などと貼り紙に書いて、エアコンを使って室内を適温に保てるように促すことが大切です」(山口先生)
のどの渇きを感じにくい高齢者は、脱水にも注意が必要です。
「高齢者は体内の水分が不足しがちです。体内の水分量は、小児75%、成人60%あるのに対して、高齢者は50%といわれていて、脱水症になりやすいのです。
さらにのどの渇きも感じにくくなっているので、実際には水分が必要な状態であっても、気づかぬうちに脱水が進み、熱中症に至るケースが少なくありません。
食事が進まない状態や下痢が続いている場合には、脱水症に陥る危険が非常に高く、要注意です。
のどが渇いていなくてもこまめな水分補給を促すようにしてください」(山口先生)
熱中症は、自分だけ防げばいいというものではありません。高齢者(特に単身者)、子ども、持病のある人、肥満の人、障害者など熱中症になるリスクの高い、いわゆる「熱中症弱者」にも気を配りながら、自分自身も気をつけて夏の暑さを乗り切りましょう。
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「まずは、熱中症が死に至る可能性のある怖い病気であること、高温環境下に長期間いると発症リスクが増すことを認識してもらうことが大切です。
そして、年齢とともに適温がわかりづらくなってくる高齢者は、室内が何℃なの理解できていない場合が多くあります。体感に頼れないのであれば、室内の環境を目で見てわかるようにしてあげましょう。
具体的には、良く見えるところに大きめのデジタル温度計を設置してください。さらに“室温は28℃以下に!”などと貼り紙に書いて、エアコンを使って室内を適温に保てるように促すことが大切です」(山口先生)
のどの渇きを感じにくい高齢者は、脱水にも注意が必要です。
「高齢者は体内の水分が不足しがちです。体内の水分量は、小児75%、成人60%あるのに対して、高齢者は50%といわれていて、脱水症になりやすいのです。
さらにのどの渇きも感じにくくなっているので、実際には水分が必要な状態であっても、気づかぬうちに脱水が進み、熱中症に至るケースが少なくありません。
食事が進まない状態や下痢が続いている場合には、脱水症に陥る危険が非常に高く、要注意です。
のどが渇いていなくてもこまめな水分補給を促すようにしてください」(山口先生)
熱中症は、自分だけ防げばいいというものではありません。高齢者(特に単身者)、子ども、持病のある人、肥満の人、障害者など熱中症になるリスクの高い、いわゆる「熱中症弱者」にも気を配りながら、自分自身も気をつけて夏の暑さを乗り切りましょう。
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