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冷たい麺の季節 そうめん・ひやむぎ・うどんの違いって? 茹で方のコツ

2022/07/07 11:44 ウェザーニュース

暑くなってくると食事には冷たい麺がほしくなります。夏の冷たい麺といえばそうめん、ひやむぎが思い浮かぶ方が多いと思いますが、そもそもそうめん、ひやむぎ、そして同じ小麦粉から作られるうどんは何が違うのでしょうか。管理栄養士の柴田聡美さんに伺いました。
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機械で作る麺は太さで区別

それぞれの名称は基本的には麺の太さで区別されているのです。

「農林水産省が定めるJAS規格(日本農林規格)の『乾めん類品質表示基準』では、機械で製麺する『干しめん』の中で、直径1.3mm未満に成形したものは『そうめん』、1.3mm以上1.7mm未満を『ひやむぎ』、1.7mm以上は『うどん』と定められています。

つまり、機械で製麺されたそうめん、ひやむぎ、うどんは麺の直径(太さ)で明確に区別されています」(柴田さん)

手延べ麺は機械製麺とは異なる基準

そうめんやひやむぎの中には「手延べ」と表記されているものもあります。これは機械で製麺したものではないのでしょうか。

「『乾めん類品質表示基準』で定める『手延べ麺』は、食用植物油、でん粉または小麦粉で縒(よ)りをかけながら引き延ばして乾燥、熟成させるなどの複雑な工程を重ねたものと定められています。

この基準では、麺の直径1.7mm未満が『そうめん』と『ひやむぎ』、それ以上は『うどん』とされています。つまり、機械製麺は3種類の区別がありますが、手延べ麺だとそうめんとひやむぎの区別がないため、2種類ということになります。

手延べ麺は製麺する際、機械製麺のように切って細くするのではなく、縒りをかけながら細く引き延ばしていくので、1本1本の形や太さなどが微妙に異なります。それが麺つゆとからみ、のど越しが良くなるのです。

また高級品になると高温多湿の梅雨を越させて発酵・熟成させ、コシと旨みが増してから出荷するものもあります。機械製麺と手延べ麺を食べ比べてみるのも面白いでしょう」(柴田さん)

ひやむぎとうどんは蒸らしがコツ!?

家庭で冷たい麺をおいしく作るコツも教えてもらいました。

「そうめんは、茹で具合にムラを作らないために、麺の重量の10倍程度のたっぷりの水を沸かすと良いでしょう。次に麺を入れて吹き上がったら火を弱め、時間通りにゆでます。あとは冷水でもみあらいしてヌメリよく取るのがコツです。その後氷水に放すとぐっと麺がしまってコシが出ます。

ひやむぎとうどんは外側と芯の部分を均等な茹で上がりにするため、『蒸らし』を入れると、よりおいしくなります。ゆで時間から2~3分引いた時間ゆで、火を止めて2~3分フタをして蒸らします。蒸らし時間は、お好みで調整してください。その後はそうめんと同じ手順で仕上げます」(柴田さん)

夏の冷たい麺は、夏バテ気味で食欲のないときにものど越しもよくツルッと食べられるものです。そうめんなどを上手に活用して、酷暑を乗り切りましょう。
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