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台風4号の風は定義の下限ギリギリ 低気圧に変わっても大雨警戒は変わらず

2022/07/04 16:57 ウェザーニュース

現在、台風4号が九州に接近中です。4日(月)15時の気象庁の解析では中心付近の最大風速は18m/sとなっていて、台風として定義される風速17.2m/sをギリギリ上回る程度となっています。

ただ、台風の定義は「風の強さ」のみで、台風であっても台風から低気圧に変わったとしても大雨に警戒が必要であることは変わりません。

そもそも台風とは?

日本の南で熱帯低気圧として発生し、発達して中心付近の最大風速が17.2m/s以上となると「台風」と呼ばれます。

日本付近を北上し、勢力が弱まって、中心付近の最大風速が17.2m/s未満になると、台風とは呼ばれなくなります。

つまり風の強さの違いということになります。

台風4号の風は定義ギリギリ

沖縄を通過して、東シナ海を北上している台風4号。4日(月)15時の気象庁の解析では中心付近の最大風速は18m/sとなっていて、台風として定義される風速17.2m/sをギリギリ上回る程度となっています。

ウェザーニュースストームセンターによる4日(月)11時頃の衛星画像解析では、台風の西側には中心付近を含めて風速18m/sに達するところは見られませんでした。台風の中心付近など周辺では、そこまで強い風は解析されていません。台風の東側の解析されていないところに、台風の定義となる風速18m/s以上のエリアがあるものとみられます。

今後は海水温のさらに低いエリアへ進むこと、上空の風向きが台風の発達には不向きになっていることなどから、今後台風4号が発達する可能性は低く、衰弱する過程に入ると考えられます。
>>最新の台風4号情報

台風でなくなっても大雨に警戒を

ただ、台風であるかどうかの定義は「風の強さ」のみなので、「雨」がどのくらい降るのかは、台風でも台風から熱帯低気圧や温帯低気圧に変わったとしてもトーンダウンすることはありません。

台風そのものの勢力が弱くても、南から日本列島に暖かく湿った空気が送り込まれ、雨雲を発達させています。台風の中心から離れた所でも、局地的には1時間に50mmを超えるような激しい雨が降っています。

台風から低気圧に変わったとしても、今週は西日本から東日本の各地で大雨に警戒が必要であることは変わりません。特に警戒が必要なのは東海から紀伊半島の南部、四国にかけてです。すでに200mm近い雨が降っているところもあり、土砂災害や河川が増水する危険性も高くなっています。最新の情報を随時確認するようにしてください。
>>30時間先までの雨雲レーダーをアプリで見る