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宗谷海峡の深発地震で異常震域 震源から離れた太平洋側も揺れる

2022/07/02 11:23 ウェザーニュース

7月2日(土)11時00分頃、宗谷海峡を震源とする深発地震がありました。震源の深さは約320km、地震の規模(マグニチュード)は5.9と推定されます。この地震で震央に近い北海道猿払村で最大震度3、少し離れた東北太平洋側の青森県階上町でも震度3を観測しています。

震央から離れた太平洋側に揺れが伝わる「異常震域」と呼ばれる震度分布ですが、たびたび起こることであり、地震活動そのものは異常ではありません。

深発地震による異常震域とは

深発地震による異常震域の模式図
今回の地震は非常に深い所で発生する「深発地震」と呼ばれるものです。

多くの地震では震央から同心円状に揺れの強い地域が分布しますが、深発地震では沈み込んだプレートに沿って強い揺れが伝わり、プレート境界に近い遠方で揺れが大きくなる現象がみられることがあり、これを「異常震域」といいます。震央の近傍では揺れが小さくても、遠方に強い揺れが伝わることがあるため注意が必要です。

今回の地震では地震波が伝わりやすい太平洋プレートに沿って、北日本の太平洋沿岸に揺れが伝播したものと考えられます。

深発地震では津波の可能性は小さく、一般的に震源が100kmより深い地震ではほぼ津波の心配はないと考えられます。

オホーツク海や日本海、三重県南東沖から東海道南方沖、鳥島近海などでは同様の深発地震が発生することがしばしばあり、数年に一度M6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。

今回の震源の少し北では2020年12月にマグニチュード6.7の規模の大きな深発地震が発生しています。
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