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週刊地震情報 2022.6.12 浦河沖のM4.9で震度3 過去に度々大きな地震も

2022/06/12 11:00 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は前週よりも少ない水準です。

福島県沖から宮城県沖にかけての地震が最も目立ち、西日本、東日本の内陸部の地震も散発しています。震度3以上の地震は2回発生しました。(6月6日~12日10時の集計)

国内:浦河沖震源の地震で震度3

浦河沖の地震
10日(金)11時14分頃、浦河沖を震源とするマグニチュード4.9、深さ67kmと推定される地震が発生しました。この地震で北海道新冠町や新ひだか町、浦河町、青森県階上町などで最大震度3を観測しています。

浦河沖を震源とする震度3以上の地震は今年2月以来で、地震のメカニズムは西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

北海道の浦河沖は太平洋プレートの沈み込みによって、過去には大きな地震は度々起きている領域です。最近では2016年にマグニチュード6.7、最大震度5弱の地震が起きており、1982年にはマグニチュード7.1、最大震度6(当時の階級)が発生しています。

北海道の太平洋側は千島海溝沿いの巨大地震の発生が懸念されていますが、浦河沖も陸地に近い所で地震が起きた場合は大きな被害につながるおそれがありますので、注意が必要です。

国内:長野県北部で震度3 糸静線近くの地震

長野県北部の地震
12日(日)5時18分頃、長野県北部を震源とするマグニチュード2.7、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。この地震で長野県大町市で最大震度3を観測しています。

長野県北部の地震は、糸魚川ー静岡構造線周辺で多く発生しており、今回の地震もその領域です。震源が浅いため、地震の規模がそれほど大きくなくても震央周辺では強い揺れとなります。最近では2018年5月にマグニチュード5.2の地震が起き、大町市や長野市などで最大震度5弱を観測しました。

政府の地震調査研究推進本部は、糸魚川ー静岡構造線断層帯のうち、今回の震源周辺に該当する北部区間で、今後30年以内にマグニチュード7.7程度の地震が起きる確率を、0.0009~16%としています。

世界:中国・四川省で再びM5.9 前週より北が震源

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は1回発生しています。最も大きな地震はブラジルで発生したマグニチュード6.5です。

日本時間の6月10日(金)未明に中国・四川省を震源とするマグニチュード5.9、深さ約14kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。

四川省では1日(水)にもマグニチュード5.9の地震が起きて被害が出ていますが、今回の地震の震源はそれよりも200kmほど北に離れた領域です。メカニズムも違っているため、直接の関連性はないとみられます。震央が山間部であるため、揺れによる被害も発生していません。

この地震の約1時間半前にはほぼ同じ震源でマグニチュード5.6の地震があり、数回のマグニチュード4クラスの地震が発生しました。ただ、その後は活動が落ち着いています。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。