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桜の健康診断結果 健康度は年々悪化傾向

2022/06/20 13:08 ウェザーニュース

ウェザーニュースでは毎年、美しい姿で私たちを楽しませてくれる桜を見守り、桜を大切にする気持ちを広く育むことを目的として「桜の健康診断」を実施しています。

健康診断では6つの質問に答えて頂き、その結果の健康度を指数化し「優良(+)」から「生育不良(-)」の12段階で判定しました。
◆「桜の健康診断」の概要
・エリア:46都道府県(沖縄除く)
・調査期間:2/16~6/1
・参加人数:3,168人
・質問項目:6つ(「日当たり」、「樹形」、「花の咲き方」、「幹の状態」、「樹皮の状態」、「花数」)

「優良」から「正常」にランクダウン

2013年から2022年の健康度変化
2013年からの全国平均の桜の健康度は、近年悪化傾向になっています。

2022年は健康状態は、初めて「優良」から「正常」にランクダウンしました。

桜の健康度を12段階で評価

桜の健康度 12段階評価
桜の健康度を細かく分類し昨年と比較してみると、「優良」は昨年より2ポイント減少し、その分「正常(ー)」と「やや生育不良」がそれぞれ増加していました。

都道府県ごとの桜の健康度の平均値

都道府県ごとの健康度
※報告が一定数に満たないエリアは灰色で表示しています。

都道府県ごとに健康度を12段階評価の平均値でみると、2022年は「優良」ランクの都道府県がありませんでした。「正常(+)」の都道府県は3地点減少し、香川県と長崎県は「正常」ランクでした。

全国的に健康度が少しずつ下がり、全国平均のランクが「正常」ランクになったと考えられます。

徳島県が2年連続で健康度1位に

2022年と2021年の健康度ランキングTOP5
健康度ランキングを見ると、健康度常連1位の徳島県が2021年に続き2022年も1位となりました。

2021年に3位だった高知県は、2022年は5位にランクインしています。

桜の健康度が低下すると?

健康度が低下しても、1~2年単位ではほとんど気づきません。ただ低下傾向が5年も続くと太枝が2、3本は枯れるリスクがあります。そうすると、花の咲き方が寂しい桜となってしまいます。

日本花の会 樹木医 和田博幸さんより

桜の健康度は2015年から下降傾向が続いています。

桜は前年の夏に花芽を形成するので、この時に猛暑であったり土にしみこむような雨が少なかったりすると、その影響を受けて花芽形成が正常に行われにくくなり、花数の減少に影響します。また、猛暑と土の乾燥は花芽形成だけでなく、葉が萎れたような状態を招き、樹勢の衰退にも影響します。これらのことが全国の健康度のダウン要因になっているのではないでしょうか。

猛暑は内陸の県で顕著で、群馬県、埼玉県、山梨県、奈良県などの健康度ランクダウンにつながったと推察されます。昨年の夏(7〜9月)を通して見てみると、晴れた日は気温が上昇し猛暑日に届くような日もありました。特に7月末から8月上旬にかけて気温が高かったことが影響した可能性が考えられます。

また、今年の春は雨が多く天候不順だったことが、元気をなくしていた桜に追い打ちをかけた可能性があります。

今年の夏は厳しい暑さが予想されています。さらなる健康度へのマイナスの影響が予想されます。夏の天候にも注視し、来年の桜の健康度がどうなるかに注目です。

桜の健康診断への想い

ソメイヨシノの寿命は60年と言われています。ソメイヨシノは戦後に多く植えられたため、当時植えられたものはすでに寿命を過ぎています。弱った桜や病気の桜が増えるのは自然のことです。

私たちは桜に対して、病気の治療や土のマッサージなど手当てを行うことで寿命を延ばすことができます。

来年も皆さんと一緒に桜の健康状態の変化を追いながら、桜を大切にする輪を広げていきたいと思います。