低気圧や前線で気圧変化
頭痛など伴う気象病「天気痛」に注意
2022/06/07 08:41 ウェザーニュース
沖縄や奄美に続き、昨日6月6日(月)には関東甲信も梅雨入りの発表がありました。
今日も前線や低気圧による気圧の変化が作用して、頭痛やめまいなどの体調不良を伴う気象病「天気痛」が起こりやすい状況となっています。
頭痛や倦怠感、めまいなどに注意
耳マッサージの方法
ウェザーニュースの天気痛予報をみると、日本列島の広範囲で最高レベルの「警戒」ランクとなっています。
急速な気圧の降下・上昇だけでなく、微小な気圧変動(微気圧変動)、大気潮汐などによっても、天気痛の症状が悪化しやすいといわれるため、低気圧や前線から離れた地域でも油断は出来ません。
また、関東などを中心に寒暖差によっても不調を引き起こしやすくなっています。外的なストレスも影響しやすい時期ですので、体調管理に注意してお過ごしください。耳のマッサージなども天気痛軽減におすすめです。
この先も「注意」や「やや注意」が続く
天気痛は「気圧」がポイント
晴れや雨などの天気の変化だけでなく、気温や湿度のほか気圧なども大きく関係していると言われています。
特に気温・湿度については、「暑い・寒い」、「湿っている・乾燥している」など、日々の体感で変化を感じられますが、気圧の変化についてはなかなか体感で感じることができません。
ウェザーニュースの天気痛予報は、原因となる気象要素の中でも、肌で実感しにくい気圧の変化に着目して天気痛の予測ロジックを組み立てています。
(2)1日2回、ほぼ決まった時間で繰り返す気圧のアップダウン(大気潮汐)
一方で、天気図には明瞭に表現されることがないが天気痛を感じるパターンがあります。これは「大気潮汐」が関係している可能性があると考えられています。
大気潮汐を分かりやすく説明すると、昼間に太陽光で大気が温められることや日没後に冷やされることなどよって発生する周期的な気圧変化の事を指し、図のように1日2回、気圧のアップダウンを繰り返す半日サイクルの変動の気圧変化となります。
この周期はヒトの生体リズムの周期と一致している可能性があり、(1)の天気図レベルの気圧変動と比較すると1/1000レベルの変化となっていますが、天気痛の引き金となります。
この変化は一般的に9時頃と21時頃に高く、3時頃と15時頃に低くなります。低気圧や台風などが存在しない時でも気圧の変動幅は数hPa程度あるようです。
このアップダウンの変動の幅が平均的な状態より大きくなった時にも天気痛発症のリスクが高まるということもこれまでの調査から分かっています。
(3)周期性のある小さな気圧変動
最後に、微気圧変動と呼ばれるもので先ほどの大気潮汐よりも小さな変化となり、(1)の天気図レベルの気圧変動と比較すると1/10000レベルのごく微小な変化に相当するものです。
微気圧変動の例としては、低気圧接近時や積乱雲の発生時、山越えの気流の影響で発生します。
微気圧変動に伴う気圧変化量1hPa以下で、継続時間は数分から数十分程度と短いですが、発生すると1日に複数回押し寄せるパターンが多いです。
上記2パターンよりも小さく細かい振動ですが、天気痛に敏感なセンサーをもった方はこのような微小な変化でも影響があると考えられています。