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完熟具合が美味しさの決め手!? 梅干しに適した梅の品種と選び方

2022/06/17 09:19 ウェザーニュース

梅雨入りした地域も増え、まるまるとした梅が出回る時期になりました。これから梅干しや梅酒を漬ける“梅仕事”を始める方も少なくないと思います。

ウェザーニュースでは、梅仕事で作ったことがあるものについて、アンケート調査を行いました。結果は「梅酒(梅ジュース含む)」が27%、「梅干し」が7%、「両方ある」が23%で、合計すると約6割の人が梅仕事を経験しているようです。
日本の梅の品種はとても多く、350種類とも言われています。この中でも、梅干しに向くもの、梅酒に向くものがあるそうです。そこで梅干しに最適な品種や梅干し用の梅の選び方について、和歌山県那智勝浦町の梅農家、清水郁代さんに伺いました。

梅干しは皮と果肉でおいしさが決まる

梅干しは、大粒で干し上がった時に皮が薄く、果肉が柔らかくトロッとしていて、種が小さいものが高品質の梅干しとされているようです。

「果肉も皮も固い生の時は、梅の状態がわからないので、品種で判断します。梅干し向きとして代表的なのが、『南高梅(なんこうばい)』です。南高梅は皮が薄く、果肉が柔らかで種が小さいので、食べ応えもあります。主な生産地は和歌山県ですが、最近は県外でも栽培が盛んになっています。

東日本では、非常に美しい形をしている『白加賀(しらかが)』がオススメです。大粒で果肉もみっちり詰まっています。また、『豊後(ぶんご)』という品種も梅干しに適しています。超大粒で普通の梅干しの2個分ぐらいあり、アンズとの交配種です。

和歌山は6月で収穫が終わりますが、東北地方は7月上旬まで収穫できるので、買いそこなった方は東北地方の梅、たとえば『谷沢梅(やさわうめ)』などを探すとよいでしょう」(清水さん)

梅干し用の梅の選び方

好みの梅干しに仕上げるには、漬ける前の梅の状態が重要だそうです。

「梅干しの果肉を柔らかく仕上げるなら、まず黄色く完熟したものを選びましょう。完熟梅は果肉が柔らかいので、漬け上がりも柔らかくなります。もし熟し足りない場合は新聞紙に包んで追熟させると黄色くなります。逆にカリカリした食感がお好みなら、青梅を使い、漬ける際に卵の殻などを入れて固いまま仕上げます。

次に、皮に傷や虫が食った穴などがないものを選びます。傷んだものが入ると、梅酢が濁ったり、カビが生える原因にもなるので、こうしたものはジャムなどにするとよいでしょう。

市販の梅にはあまりないですが、ヤニ果といって、果肉の中にゼリーのようなものが入っていることがあります。食べても害はないですが、食感がよくないので避けましょう」(清水さん)

最近は蜂蜜入り、超減塩など、梅干しの味もさまざま。今年はぜひ梅干しや梅酒づくりを楽しむ“梅仕事”にチャレンジしてみませんか。

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