「いつもより寒い冬」と「いつもより暖かな春」が開花を早めたか
気象台の観測では、今年の桜(ソメイヨシノ)の開花時期は全国的に平年より早くなりました。
ユーザー調査の結果も同様の傾向がみられ、特に北海道や九州で「早かった」という回答が目立ちました(記事冒頭の画像参照)。
ユーザー調査の結果も同様の傾向がみられ、特に北海道や九州で「早かった」という回答が目立ちました(記事冒頭の画像参照)。
北日本の桜の開花が早かったのは、2月下旬以降に気温が平年より高い状況が2か月以上にわたって続いたことが理由として挙げられます。桜のつぼみの生長は、開花前のおよそ2か月間の気温が高いほど早い傾向があり、北海道ではこの期間の気温が平年よりも高かったため、開花がかなり早くなったと考えられます。
一方九州では「いつもより寒い冬」が開花を早めた可能性があります。桜の花芽は前年の夏に作られたあと、真冬に一定期間厳しい寒さにさらされることで、その後に休眠から目覚めます。これを「休眠打破(きゅうみんだは)」といいます。近年の九州では真冬の寒さが足りず休眠打破が順調に行われないことで、開花が遅れることがしばしばありました。今年の西日本では12月下旬〜2月下旬にかけて平年よりも気温が低い期間が続き、十分に休眠打破が効いたと推定され、その後3月からは平年よりも暖かい日が続いて急速につぼみの生長が進んだため、開花が早くなったと考えられます。
一方九州では「いつもより寒い冬」が開花を早めた可能性があります。桜の花芽は前年の夏に作られたあと、真冬に一定期間厳しい寒さにさらされることで、その後に休眠から目覚めます。これを「休眠打破(きゅうみんだは)」といいます。近年の九州では真冬の寒さが足りず休眠打破が順調に行われないことで、開花が遅れることがしばしばありました。今年の西日本では12月下旬〜2月下旬にかけて平年よりも気温が低い期間が続き、十分に休眠打破が効いたと推定され、その後3月からは平年よりも暖かい日が続いて急速につぼみの生長が進んだため、開花が早くなったと考えられます。
お花見「当たり年」 昨年より見頃の期間長く
ウェザーニュースではアプリのユーザーから桜の写真を募集していて、この春はのべ26万通以上の投稿がありました。これらを分析したところ、昨年よりも見頃の期間が全国的に長い傾向だったことがわかりました。
都道府県ごとに算出した「見頃シーズン」の期間は全国平均で8.0日間となり、昨年の5.9日よりも平均して2日間ほど長かったことになります。満開となったあとに一時的な寒の戻りがあったことや、花びらを散らす強い風が吹かなかったことなどが影響した可能性が考えられます。
見頃の時期が長かったことは、お花見をする人にとって「当たり年」だったかもしれません。
都道府県ごとに算出した「見頃シーズン」の期間は全国平均で8.0日間となり、昨年の5.9日よりも平均して2日間ほど長かったことになります。満開となったあとに一時的な寒の戻りがあったことや、花びらを散らす強い風が吹かなかったことなどが影響した可能性が考えられます。
見頃の時期が長かったことは、お花見をする人にとって「当たり年」だったかもしれません。
お花見に行った人 今年は半数を超える
アンケートでは他にも、お花見に行ったかどうかの調査も行いました。昨年の同設問では、行ったと回答した人の割合が全体の42%だったのに対し、今年は行ったと回答した人の割合が全体の52%に増加しました。今年はお花見に行った人が昨年より10ポイント増え、半数以上の人が行ったということになります。
昨年の桜シーズンは新型コロナウイルスの感染拡大のため、4月に緊急事態宣言が出るなどして外出の自粛や密集を避けることなどが強く求められたことや、桜の名所の管理者が花見の制限を行ったことなどもあり、お花見に行った方は例年より少なくなっていたと考えられます。今年は制限が緩和された所が多く、基本的な感染症対策を行った上でお花見を楽しまれた方が多くなったようです。
昨年の桜シーズンは新型コロナウイルスの感染拡大のため、4月に緊急事態宣言が出るなどして外出の自粛や密集を避けることなどが強く求められたことや、桜の名所の管理者が花見の制限を行ったことなどもあり、お花見に行った方は例年より少なくなっていたと考えられます。今年は制限が緩和された所が多く、基本的な感染症対策を行った上でお花見を楽しまれた方が多くなったようです。