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古くなったお茶がフライパンで蘇る? お茶のプロが絶賛する5分でできる裏技とは!?

2022/05/31 10:16 ウェザーニュース

各地でお茶の収穫時期を迎え、すでに今年の新茶を堪能したという方もたくさんいるのではないでしょうか。新茶をさらに美味しくいれるのに欠かせないアイテムのひとつが急須です。ウェザーニュースでは、家での急須の使用頻度についてアンケート調査を実施しました。

すると全体では、「ほとんどいれない」が51%で多数派に。次いで「よくいれる」が28%、「たまにいれる」が21%で、急須を使う人の割合は約5割という結果になりました。
地域別で詳しく見ると、宮崎県、静岡県、鹿児島県は「よくいれる」割合が約5割に上るなど、お茶の生産量が高い地域では、急須の使用頻度も高いことが分かりました。

ところで、今年の新茶を楽しんだ方は、開封したお茶をそろそろ飲み切る頃ではないでしょうか。

「開封してからかなり日が経ったお茶がまだ残っている」のなら、茶葉の風味が変化していないか心配です。せっかくの新茶を無駄にしないためにも、風味が変わったかな?と感じたら、残った緑茶を“ほうじ茶”にすることをお勧めします。

お茶の教室も開いている大森園株式会社(北海道札幌市)の代表取締役・大森由美子さん(日本茶インストラクター・リーダー)に、手軽にできる緑茶の焙煎(ばいせん)方法を伺いました。

緑茶は変質しやすいので注意が必要

お茶は乾燥しているので長持ちしそうな印象がありますが、変質しやすいのですか?

「お茶はとてもデリケートなものです。未開封であれば常温で長期保存できますが、いったん開封したら取り扱いに注意しなければなりません。湿気、酸素、日光(紫外線)、高温が変質の要因となりますので、食器棚の中など冷暗所で保存する必要があります。

袋や缶から茶葉を出すごとに、しっかりと空気に触れないように封や蓋をしてください。最近の茶袋や茶缶はとても優秀で保存に適しています。もし別の容器に移し替える場合は、気密性、遮光性の高い袋や容器を選ぶと安心です。

また、冷蔵庫に入れて保管する際には、他の食品の匂いが茶葉に移りやすいので、袋を二重にするなどして保存してください」(大森さん)

開封した緑茶には、賞味期限があるのですか?

「お茶は乾物ですので、生もののように傷んだり腐ったりするものではありませんが、本来の風味を最も美味しく楽しめるのは、開封後数週間から1ヵ月くらいでしょうか。気をつけて保存しても、出し入れしているうちに風味が落ちることがあります。ご家庭であれば業務用のような大きな袋で購入せず、小まめに購入して飲み切っていくことをお勧めしています」(大森さん)

古くなった緑茶をフライパンで蘇らせる方法

せっかくいいお茶を買ったのに余らせてしまった場合は、どうすればいいのでしょうか?

「フライパンで焙煎して“ほうじ茶”にする方法があります。簡単にできるので、次の7ステップを試してみてください」(大森さん)

【用意するもの】
緑茶の茶葉15g、菜箸、ふたのあるフライパン、濡れ布巾

(1)フライパンを温める
プライパンにふたをせず、強火で30秒ほど温めてください。

(2)一度冷やす
火を止め、濡れ布巾の上にプライパンを置いて2秒ほど冷やします。

(3)コンロに戻して茶葉を投入
再びコンロの上にフライパンを戻し、茶葉を投入します。このとき、茶葉がフライパンの面に広がるようにしてください。

(4)ふたをして2分30秒煎る
中から香りがしてくるので気になりますが、ふたは開けずに待ちましょう。

(5)ふたを取り、強火で1分煎る
菜箸で焦げないように混ぜながら、1分ほど強火で加熱してください。

(6)煙が立ったら火を止める
フライパンから煙が立ち始めたら火を止め、余熱でさらに1分ほど煎ります。

(7)煙がおさまったら出来上がり
煙がおさまったら、フライパンから茶葉を取り出します。茶葉がグリーン部分と茶色部分のまばらであっても、問題はありません

出来上がったのはどんなお茶?

緑茶を煎ってほうじ茶にすると、見た目や味にどんな変化が出るのでしょうか?

「茶葉の色が濃くなり、膨らんで香ばしくなります。ほうじ茶は香りを楽しむお茶なので、淹れるときは沸騰した熱いお湯を使ってください。

淹れると、緑茶のときとはまったく異なる上品な焦げ茶色のお茶が入り、香ばしい香りが鼻を抜けてあたりに漂います。味は、緑茶の青味が消えて、すっきりした素敵な飲み心地です」(大森さん)

お茶のプロが絶賛する「緑茶→ほうじ茶」への生まれ変わり。フライパンだけで簡単にできるそうなので、ぜひ試してみませんか。
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