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ズレや蒸れが肌荒れに? もう一度しっかり確認したい、正しいマスクのつけ方

2022/05/18 16:52 ウェザーニュース

5月に入って高温多湿の日が増え、マスクを不快に感じることが多くなりがちです。

ウェザーニュースで実施したマスク蒸れに関するアンケート調査でも、冬と比べて「いまの時期の方が気になる」という人の割合が6割に上り、よりマスクを不快に感じている人が多くなっている状況です。
いまや生活に欠かせないマスクですが、そうした不快感もあってか、間違った使い方の人も少なくないそうです。

野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生は、「気温や湿度が上がると、マスクをずらしたりしたくなりますが、正しくマスクを着用することは、感染症対策のみならず、肌荒れ予防にもとても大切」といいます。あらためて正しいマスクのつけ方と問題点を教えていただきましょう。

マスク肌荒れを予防するには

マスクの蒸れにより、肌のベタつきや化粧崩れだけでなく、かゆみやヒリヒリした痛みを感じることがあります。また、肌が敏感な人では、マスクそのものが肌に負担となってしまうこともあります。

「気温や湿度が高いときにマスクをしていると、マスク内が高温多湿になり体感温度も上昇します。人の体は暑さを感じると皮膚温が高くなり、発汗して気化熱で体温を調節する仕組みです。しかしマスクをしていると熱や蒸気がうまく発散されず、こもってしまうのです。

蒸れにより、肌の角質がふやけて毛穴がつまったり、マスクの摩擦で荒れるなど、肌トラブルも起きやすくなります」(野村先生)

マスク蒸れによる不快を少しでも軽減するにはどうすれば良いのでしょうか。

「ベタつきなどが気になる人は、朝の洗顔をして、就寝中に分泌された皮脂や古くなった角質を落としましょう。ただし肌を擦らないよう、洗顔料をよく泡立てて優しく洗います。

医療用の不織布マスクは、気密性が高く摩擦による刺激が生じることがあります。ガーゼや柔らかいコットンの布を不織布の間に挟むだけでも、湿気を吸ってくれてだいぶ違ってきます。蒸れてきたら、挟んだ布を時々交換するとさらに効果的です。

また、肌に当たる部分がシルクのマスクは、湿気を適度にとり快適な肌環境を作ってくれます。TPOに合わせてマスクを使い分けしてもいいでしょう」(野村先生)

肌ケアにも気をつけたいものです。

「まず保湿が重要です。化粧水を顔全体にたっぷり塗り、かさつきの気になる部分には乳液や保湿クリームを重ねて使用します。紫外線対策も大切なので、汗や水に落ちにくいウオータープルーフの日焼け止めを、マスクの下になる部位も含め顔全体に使用します。

マスクを外した後は、すぐにクレンジング・洗顔で汚れを落とし、保湿ケアを行いましょう。角質はふやけていますので、できる限りそっとやさしくお手入れすることが大切です」(野村先生)

医師が気になるつけ方とは

野村先生は、「マスクで感染症予防をしているつもりが、誤った使い方で効果が薄れてしまっているケースもよく見られる」と懸念しています。

「マスクによる不快度が増すと、息をしやすいように鼻を出した『鼻出しマスク』が増えてきますが、くしゃみなどでより多くの飛沫が拡散したり、周辺のウイルスを鼻から吸い込むことになってしまいます。

また、顎にマスクを引っ掛ける『顎マスク』は、次に口や鼻を覆った時に、顎や首に付着していた汚れがそのまま口や鼻に入ってしまうことによる感染リスクが高まります」(野村先生)

マスクの表面を手で触っている方も見かけますが、マスク表面にはウイルスや雑菌が付着している可能性が高いです」(野村先生)

正しいマスクのつけ方

野村先生は、きちんと着用すれば、より快適でより安心だといいます。

「正しいつけ方を参考に、もう一度自分のマスクのつけ方を見直してみてください。

なお、抗菌効果のある不織布マスクは、布マスクの上にする事によってウイルス対策になります。逆に、シルクや綿製の布マスクは肌に負担が少ないため、肌に直接あたるように不織布マスクの中にします」(野村先生)

【正しいマスクの着用方法〉
(1)マスクを顔にあててから、鼻の形に合わせてフィットさせる。その際に、プレートが入っているものは、隙間が空かないように形を整える
(2)ゴムひもを耳にかける
(3)鼻当てを押さえたまま、顎に向かってマスクを広げて伸ばし、顎にフィットさせる
(4)頬の部分に隙間が空かないよう、軽く抑える

「着用した後に、ノーズフィットが鼻の形にフィットしていること、頬とマスクの間に隙間がないこと、顎までしっかり覆われていること、耳ひもがきつすぎず緩すぎないことを確認します」(野村先生)

【正しいマスクの外し方】
(1)マスクの紐をもって外す
(2)手洗いもしくは手指のアルコール消毒を行う

「マスクの表面にはウイルスなどが付着している可能性があるので、絶対に触ってはいけません。触ってしまった場合は、すぐに手を洗うかアルコール消毒します。

また、食事などで外したマスクを再度使用する場合は、抗ウイルス加工が施されているマスク入れに入れて保管します。捨てる場合は、ビニール袋に入れて袋の口をしばってから捨てましょう」(野村先生)

マスク生活も3年目となり、付け外しに慣れが生じています。もう一度初心にかえってマスクの付け外しをおさらいしましょう。

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