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週刊地震情報 2022.5.1 京都府南部で震度3が2回 3月末から活動が活発

2022/05/02 23:29 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された地震回数は前週に比べると若干少ない水準です。

東北太平洋側の地震が比較的少なく、西日本で地震の発生がやや目立ちました。震度3以上の地震2回発生しています。(4月25日~5月1日10時の集計)

国内:京都府南部でM4.1とM4.2 3月31日とほぼ同じ震源

京都府南部の地震
25日(火)13時10分頃、京都府南部を震源とするマグニチュード4.1、深さ14kmと推定される地震が発生しました。この地震で京都府京都市、亀岡市、大阪府交野市、兵庫県三田市などで最大震度3を観測しています。

また、30日(土)18時06分頃にもマグニチュード4.2、深さ約20kmと推定される地震が発生し、京都府京都市、亀岡市、南丹市、大阪府能勢町、兵庫県三田市などで最大震度3を観測しました。いずれの地震もメカニズムは横ずれ型と解析されています。

狭い領域に震源が集中

京都府南部の震源分布
京都府南部では3月31日にマグニチュード4.4、最大震度4の地震が発生していて、その後は地震活動が活発です。

約1か月で有感地震は8回目となりました。8回の地震のうち、暫定値が解析されている7回の地震は震源の深さがいずれも13~14kmでほぼ同じ震源の一連の活動とみられます。微小な地震を加えた震源分布を見ても、非常に狭い範囲に集中していることがわかります。

京都府亀岡市の北には、亀岡断層と呼ばれる活断層があると考えられています。ただ、北東側に隆起する逆断層とされており、横ずれ型である今回の一連の地震とメカニズムに若干の違いがあることなどから、この断層の活動とは断定できません。

地震の活動活発な状況が続いていますので、しばらくは震度3~4程度の揺れには注意が必要です。

世界:地中海でM5近い地震が頻発

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は1回発生しています。最も大きな地震はパプアニューギニア近海で発生したマグニチュード6.0です。

日本時間の27日(水)から29日(金)にかけて地中海でマグニチュード5近い地震が相次いで発生しました。27日(水)はギリシャの南海上でマグニチュード4.9、キプロスの沿岸部でマグニチュード4.9、29日(土)はクレタ島でマグニチュード4.9が起きています。

地震の規模がそれほど大きくないことや、震源がそれぞれ少し離れていることなどから、直接的に関連性のある活動ではないとみられます。共通しているのはアフリカプレートとユーラシアプレートの境界付近であることです。(北側のプレートはエーゲ海プレートおよびアナトリアプレートに分類する見方もあります)

今回の一連の地震では目立った被害はないものの、過去にはマグニチュード6後半の強い地震が発生しています。キプロス近海では今年の1月にマグニチュード6.6の地震が起きました。地震リスクの高い地域ですので、今後の活動が注目されます。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。