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七十二候「牡丹華」 王者の風格漂う牡丹を知ろう

2022/04/30 06:07 ウェザーニュース

今日からは七十二候「牡丹華(ぼたんはなさく)」です。

牡丹は中国で「花の王」と呼ばれて華やかさの象徴とされ、日本でも「高貴」や「王者の風格」といった花言葉をもっています。

牡丹はどんな花?

いろいろな色の牡丹
どの花にも負けない存在感や美しさがある花ですが、もともとは観賞用ではなく、薬として使われていたそうです。

また、猪の肉を使った鍋を牡丹鍋といいますが、昔は赤い花を咲かせる品種が多かったこともあり、牡丹といえば「赤」というイメージでした。そのため、名前に赤を表す「丹」が使われています。

現在では白や黄色、ピンクなど様々な色のものがあり、私たちをいっそう楽しませてくれます。

似て非なるもの

左:芍薬の花 右:牡丹の花
そんな牡丹とよく似た花に「芍薬(しゃくやく)」というものがあります。
写真だけでは、どっちがどっちだか…
牡丹も芍薬も同じボタン科ボタン属で、花の形もよく似ています。しかし、ある部分に注目すると案外簡単に見分けが付くようになるんです。

【葉の形】
牡丹の葉というのは、ツヤがなく、切れ込みが入っています。先が3つに分かれているのが特徴です。一方、芍薬の葉は、ツヤツヤしており、切れ込みはありません。

【木?それとも草?】
もう一つの大きな違いとして、牡丹は木本性なのに対し、芍薬は草本性ということ。草である芍薬は、細い茎の先端に一輪の花を咲かせ、落葉低木の牡丹は一枝に二輪ほど花をつけます。
【花のように美しく】
皆さんは「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉をご存知でしょうか。
初めて聞いた人は、なんのこと?と思うかもしれませんが、これは美しい女性の立ち振舞を形容したものです。

茎がスラリと伸びた芍薬は、立ち姿が美しい女性。枝分かれした先に花をつける牡丹は、上品に座っている女性。さらに、風に揺れる百合の花は、まるで優雅に歩く女性のように見えることから、このように言われるそうです。

咲くまでの過程に注目

寒牡丹の花
実は牡丹には、春牡丹・寒牡丹・冬牡丹の3種類があります。

春牡丹は4月下旬〜5月頃に見頃を迎える一般的なものです。寒牡丹は10月〜1月、冬牡丹は1月〜2月頃に花が咲きます。

冬牡丹は温室などを利用し、春牡丹を人工的に冬に咲かせたものです。一方、寒牡丹は春と冬の二季咲きの品種となっています。大きく違う点として、冬牡丹は人の手が加わらないと冬に開花することができません。しかし、寒牡丹は時期が来れば自ずと冬頃に開花します。

花だけを見ると、なかなかわかりにくいかもしれませんが、咲くまでの過程に注目すると全く異なるものなのです。

視線を移せば

牡丹桜とも呼ばれる八重桜
地上で私たちを楽しませてくれる牡丹の花ですが、ふと頭上に視線を移せば、そこにはまた違う牡丹の姿が見られます。それは、今の時期に見頃を迎える八重桜です。こちらは別名「牡丹桜」とも呼ばれています。確かに何枚も重なった花弁が、美しい牡丹を彷彿とさせますね。

八重桜の開花時期は品種によって異なり、5月上旬くらいまで楽しめるものもあります。

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写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
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参考資料など

【参照・参考元】
日本ぼたん協会「ぼたんとは」https://nippon-botan.com/
千葉市役所HP「千葉公園のボタン・シャクヤク」https://www.city.chiba.jp/toshi/koenryokuchi/kanri/chuo-inage/botan-syakuyaku2013.html
浄土宗 慈雲山 石光寺HP「寒牡丹と冬牡丹の違い」https://sekkouji.or.jp/flower/kanbotan/index.html
浄土宗 慈雲山 石光寺HP「寒牡丹の歴史と育て方」https://sekkouji.or.jp/flower/kanbotan/02.html