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有毒植物と間違えやすい春の山菜3選

2022/04/27 11:32 ウェザーニュース

GWの頃は山菜採りに出かける人も少なくないようですが、有毒植物を山菜と間違って食べてしまう事故が毎年後を断ちません。

そこで今回は、厚生労働省の「自然毒のリスクプロファイル」のリストから、この時期に食用と間違えやすい代表的な有毒植物3種類の見分け方を紹介します。

「ギョウジャニンニク」と「イヌサフラン」

イヌサフランの芽は、ギョウジャニンニクの芽と似ています。ギョウジャニンニクは厳しい修行を行った行者たちが活力源として食べ、ニンニクのような香りがする山菜で、とても人気があります。イヌサフランは食べると下痢、嘔気、嘔吐、最悪は死亡するほど怖い毒性があります。

見分け方

【Point1】
ギョウジャニンニクはもむと特有のニンニク臭がある。イヌサフランには臭いはない。
【Point2】
ギョウジャニンニクは、葉が1〜2枚(まれに3枚)、イヌサフランの芽は、葉が多数重なり合っている。
【Point3】ギョウジャニンニクの球根はらっきょう型、イヌサフランはジャガイモ、玉ねぎのような丸型。

「ニラ」と「スイセン」

スイセンはごく普通に見られる植物ですが、ニラと葉が似ているために、中毒事故がしばしば起こります。スイセンは誤食すると嘔吐、下痢などを起こします。
左がニラ。スイセンは茎が太い

見分け方

【Point1】ニラに比べスイセンの葉は、幅が広く、厚く、全体に大きい。
【Point2】ニラには特有の臭いがあるが、スイセンにはない。
【Point3】スイセンの株元の茎(葉鞘)はニラに比べ太い。

「セリ」と「ドクゼリ」

セリとドクゼリは同じ場所に生えることもあることから、一緒に採ってしまい、中毒事故が起こることがあります。ドクゼリを誤食すると、嘔吐、下痢、けいれん、呼吸困難などの中毒症状を起こします。

見分け方

【Point1】セリは春先、草丈10〜15cm位で、花期でもせいぜい30cm程度。ドクゼリは芽吹きの頃から大きく、長い葉柄(葉と茎を接続している小さな柄)が目立ち、花期には1mに達する。
【Point2】セリには葉に特有の香りがあるが、ドクゼリにはない。
【Point3】ドクゼリの根元をよくみると、たけのこ状の太い地下茎がある。

素人判断は危険、はっきりわからなければ食べない

さまざまな機関が毎年、中毒事故を防ぐために注意を呼び掛けていますが、それでも中毒事故はなくなりません。

1:食べられるかどうかはっきり分からない山菜は食べない
2:専門家の指導で、正しい知識や見分け方を習得する
3:山菜を採集する時は、他の植物が混入しないように注意する

事故を防ぐため、自分自身の周囲の人に対しても注意を徹底するよう心がけてください。
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参考資料など

出典:東京都健康安全研究センター東京都薬用植物園、写真提供:東京都健康安全研究センター 東京都薬用植物園/佐藤敏幸、参考資料:厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル」、東京都薬用植物園「山菜と間違えやすい有毒植物の見分け方」