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新生活におさえておきたい、整理整頓がしやすくなる10のコツ

2022/04/06 11:22 ウェザーニュース

新年度を迎え、就職や進学などで新たな生活スタイルが始まり、初めて一人暮らしをすることになったという人も少なくないでしょう。家族と一緒に生活していても自分の部屋だけは物が散らかりがちだったり、どうしても片付けがうまくできなかったりという人にとって、新たな春はむしろ憂鬱(ゆううつ)な季節かもしれません。

日々の暮らしを快適に保つためには「整理整頓」が必須ですが、的確に行うには「10のコツ」があるそうです。全国で家事代行サービスなどを展開するカジタク・サプライヤチームの鈴木健吾さんに、整理整頓のメリットなども含めて伺いました。

物が散らかっているデメリット

日常生活のなかで、必要な物がすぐに見つからなかったり、どこに置いたかわからなくなったりすることがたびたびあります。特に就職や進学などで生活パターンが大きく変わった場合などは、探し物に費やす時間のロスが遅刻などのミスを誘発することも考えられます。

「整理整頓をしないことによるデメリットには、貴重な時間や労力が必要以上にかかってしまうことはもちろんですが、物の置き場所(スペース)を無駄に使ってしまっているという一面もあります。

不用品に気づかなかったり、同じような物があちこちに散乱してしまっていたりするのが、その理由です」(鈴木さん)

整理整頓がしやすくなる10のコツ

整理整頓のメリットは、どのような点が考えられますか。

「必要な時に必要な物がスムーズに取り出せることは、余計な時間もかからず、実に気持ちのいいものです。部屋や家にある物や持ち歩くべき物を把握しやすく、無駄な買い物や余分なスペースがなくなることは浪費の減少にもつながるのです。見た目もすっきりとして掃除の手間もかからなくなります」(鈴木さん)

鈴木さんが勧める具体的な「整理整頓の10のコツ」は次のとおりです。

(1)物を必要以上に持たない、増やさない
物が増えるほど置き場所の苦労や片づける手間がかかり、少ないほど管理しやすくなります。整理整頓のコツとして、日常生活の消耗品のストックをあまり持たないことがあります。ストック日数が1カ月以上あったら買わないほうが空間とお金が無駄にならず、逆にストックがあるのを忘れて買ってしまうことにもなりかねません。

(2)物の置き場所を決めて、同じ種類の物はまとめる
整理整頓の要(かなめ)はまず、物それぞれの定位置を決めて、同種類の物を集めておきます。衣料はここ、本はここというふうに定位置を決めておけば、そこからあふれないように気を付けることができます。どんな物があるかを把握できれば、似たような物を買わずに済みます。

物が増えすぎると管理が難しくなってしまいます。「一つ買ったらその分一つ捨てる」ことを心がけると、物が増えることなくキープできます。捨てずに持っていることが物を大切にすることとは限りません。

(3)使ったら、元の定位置に戻す
整理整頓の鉄則ともいうべきコツで、これができれば常に散らかることがなくなります。

(4)物の置き場所は、使用頻度も考えて決める
いつも使う物は取り出しやすい場所に置き、あまり使用することのない物は片づけます。

(5)物は使う場所の近くに保存する
生活動線に無駄がなくなると同時に、物が使いやすくなってさまざまな作業がはかどるようになります。

(6)物を持つ(選ぶ)基準を明確にする
片づけの前に、本当に必要なものを購入しているか、家の中を見わたすと使っていないものであふれてはいないかをまず確認してください。何でも欲しいからとつい買ってしまうと、新たな置き場所に悩みます。必要な物、自分に不可欠な物を決めて選びましょう。

片づけ上手とは物に対してのこだわりを持ち、“取りあえずいいか”と買ってしまわない人のことです。好きな物は長く使いたくなりますが、妥協して買った物はすぐ使わなくなってしまい、“でもまだ使えるから”と部屋にどんどんたまっていく可能性が大です。

(7)中身が見えないケースや箱には、何が入っているか書いておく
片づけの際には何を入れるのか把握していても、後で忘れてしまうこともあります。ラベルなどに書いて貼っておけば、中身が何かわからなくなりません。

(8)整理整頓はその都度行うだけでなく、定期的に見直す
基本は出し入れを徹底することですが、時間が経つと物はたまってしまいがちです。数カ月とか半年に一度とか、見直す時期を決めて定期的にチェックしましょう。

(9)物は置き場所に詰め込まず、収納は八分目程度に
余裕のある収納を心がけるには、「一つ増えたら一つ減らす」といった自分なりのルールを決めることが必要です。

(10)捨てるかどうか迷った物を一時的に置いておく場所を用意
要らない物は処分するのが基本ですが、それでも迷うこともあります。保留箱のようなものを作っておくと気が楽になります。

「衣料は特に整理整頓と処分が難しい物です。ごみとして処分すると大量の有料袋が必要となります。無料で処分したいという人は、衣服回収ボックスが近くにないかチェックしてみてください。市役所などに設置している場合や、私企業でも会員になれば24時間いつでも処分できるボックスも登場しています。洋服店やボランティアによる無料回収もあります。

リサイクルショップに持ち込んだりフリーマーケットやフリマアプリに出品したりすれば、お金を得られる可能性もあります。ただし、利益ばかりを考えると時間が掛かってしまいますので、工夫も必要となります。写真だけで買取価格を査定してくれるサイトは、忙しい人に好まれています」(鈴木さん)

再び散らかった時は「少し」がキーワード

片づけてキレイになったと思ったはずの部屋なのに、いつの間にか散らかってしまうということがよくあります。

「一度整理整頓しても部屋が散らかってしまうと、再度片づけるのが面倒になってしまいます。そんなときのキーワードが『少し』です。まず部屋の中を見渡して、ごみが捨てられずにそのままになっていないかなど、少し気にかかったことから初めてもいいし、少しだけ片づける時間を作るなど、嫌にならずに簡単にできることから始めてみてください。

隙間時間を上手に利用するのもいいかもしれません。食事の準備の合間やお風呂を沸かす間など、少しの時間を利用して片づける。また、散らかったものはとりあえず1箇所に集めると必要以上に散らからず、片づけも簡単になります。“キレイにしたい”という気持ちが芽生えることが、そもそも整理整頓の第一歩なのです」(鈴木さん)

少しずつの成功体験を持続させることが大切で、整理整頓に対して前向きな気持ちを抱くことは、キレイな部屋、つまり快適な生活環境の持続につながるそうです。

新たな生活を迎えた春。「10のコツ」を活用しながら整理整頓を行い、キレイな室内を長く保って、心の安定にも生かしていきましょう。
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参考資料など

取材協力:アクティア株式会社(https://www.kajitaku.com/)