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週刊地震情報 2022.4.3 1週間で震度3以上が6回 東京湾震源の震度4も

2022/04/03 10:58 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された地震回数は前週に比べると大きく減少しました。

東北から関東の太平洋側で地震の発生が目立ち、西日本は比較的少ない傾向です。ただ、震度3以上の地震は引き続き多く6回発生しています。(3月28日~4月3日10時の集計)

国内:東京湾を震源とするM4.7の地震

東京湾の地震
3月31日(木)20時52分頃、東京湾を震源とするマグニチュード4.7、深さ73kmと推定される地震が発生しました。この地震で千葉市花見川区で最大震度4、東京都や神奈川県、千葉県を中心とした広い範囲で震度3の揺れを観測しています。

地震のメカニズムは東西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。東京湾を震源とする最大震度4以上の地震は2018年1月6日以来です。

今回の震源付近は関東平野の中でも地震が多い、いわゆる「地震の巣」のひとつです。震源の深さは60~70kmに集中していて過去にはマグニチュード6クラスの地震も起きています。去年10月7日には今回より少し陸地側でマグニチュード5.9の地震が発生し、最大震度5強を観測しました。

首都直下地震で政府が想定しているシナリオのひとつの震源域ですので、活動には注意が必要です。

国内:京都府南部でM4.4

京都府南部の地震
3月31日(木)23時34分頃 京都府南部を震源とするマグニチュード4.4、深さ13kmと推定される地震が発生しました。この地震で京都市伏見区と亀岡市で最大震度4、京都府長岡京市や滋賀県大津市、大阪府能勢町などで震度3を観測しています。

地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。京都府南部を震源とする震度3以上の地震は去年10月16日以来です。

京都府南部では三峠・京都西山断層帯が知られています。今回の震源はこの断層帯のうち、京都西山断層帯の北西半部の近くです。この領域の活動は北東側隆起の逆断層成分を伴う左横ずれ断層とされています。地震の震源と少し離れていることや、メカニズムに若干の違いがあることなどから、この断層の活動とは断定できません。

政府の地震調査研究推進本部は京都西山断層帯でマグニチュード7.5程度の地震が30年以内に発生する確率をほぼ0%~0.8%としています。

京都府内にはほかにもいくつか知られた断層帯があり、歴史史料では大きな地震被害の記録も残っていますので、油断が出来ない地域です。

世界:ローヤリティー諸島近海でM7前後の地震相次ぐ

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は3回発生しています。最も大きな地震はローヤリティー諸島近海で発生したマグニチュード7.0です。

日本時間の3月31日(木)昼過ぎにロイヤリティー諸島の南東を震源とするマグニチュード7.0、深さが約10kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは北東ー南西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

この地震のわずか9時間前の日本時間31日(木)早朝にほぼ同じ震源でマグニチュード6.9の地震が発生しており、4月1日(金)の早朝にもマグニチュード6.3の地震が起きるなど、地震が多発しました。31日(木)の2回の地震では津波が発生しましたが、観測された潮位変動はいずれも10cm未満で大きな影響は出ていません。

今回の震源付近は太平洋プレートとオーストラリアプレートの境界付近で、マグニチュード7~8クラスの地震がしばしば起きています。去年2月には今回の震源の少し東側でマグニチュード7.7が発生しました。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。