4月8日は「花祭り」
旧暦の4月8日はお釈迦様の誕生日で、「灌仏会(かんぶつえ)」「仏生会(ぶっしょうえ)」「降誕会(こうたんえ)」「花祭り」などといいます(以下、「花祭り」と記述)。
4月8日(寺院によっては5月8日など)は、全国のお寺で花祭りが催されます。お寺では、花で飾った小さな堂の花御堂(はなみどう)を作り、その中の水盤(すいばん)に誕生仏を安置します。参拝客は柄杓(ひしゃく)で甘茶を誕生仏にかけて、お釈迦様の誕生を祝います。
どうしてこのような祝い方をするの? と疑問に思う人もいるでしょう。
これは、釈迦誕生の際に天から竜がやってきて、甘露の雨を注いだという伝説が由来といわれます。
お寺が経営する幼稚園などでは、花祭りは大事な年中行事として行われています。子供たちの健やかな成長をお釈迦様が見守ってくれているかもしれません。
4月8日(寺院によっては5月8日など)は、全国のお寺で花祭りが催されます。お寺では、花で飾った小さな堂の花御堂(はなみどう)を作り、その中の水盤(すいばん)に誕生仏を安置します。参拝客は柄杓(ひしゃく)で甘茶を誕生仏にかけて、お釈迦様の誕生を祝います。
どうしてこのような祝い方をするの? と疑問に思う人もいるでしょう。
これは、釈迦誕生の際に天から竜がやってきて、甘露の雨を注いだという伝説が由来といわれます。
お寺が経営する幼稚園などでは、花祭りは大事な年中行事として行われています。子供たちの健やかな成長をお釈迦様が見守ってくれているかもしれません。
キラキラ「風光る」時季
春の陽光の中をキラキラ光るような風が吹き渡る様を「風光る」と表現することがあります。視覚的な言葉で、春の季語にもなっています。
〜風光る入江(いりえ)のぽんぽん蒸気かな〜
これは夏目漱石に師事した小説家・随筆家の内田百閒(うちだひゃっけん)の一句です。
「ぽんぽん蒸気」は焼玉(やきだま)エンジンといわれるエンジンを備えた小型の蒸気船のことで、「ポンポン」鳴るエンジン音から「ポンポン蒸気」などと呼ばれました。
のどかな春の入江の光景が目に浮かぶようです。
〜風光る入江(いりえ)のぽんぽん蒸気かな〜
これは夏目漱石に師事した小説家・随筆家の内田百閒(うちだひゃっけん)の一句です。
「ぽんぽん蒸気」は焼玉(やきだま)エンジンといわれるエンジンを備えた小型の蒸気船のことで、「ポンポン」鳴るエンジン音から「ポンポン蒸気」などと呼ばれました。
のどかな春の入江の光景が目に浮かぶようです。
「雀の子」を優しく見守って
スズメは3~4月などに卵を産んで、10日~2週間弱で卵から雛(ひな)にかえります。そのため「雀の子」は春の季語でもあります。
「雀の子」といえば、江戸時代後期の俳人、小林一茶の次の句を思い起こす人もいるでしょう。
〜雀の子そこのけそこのけ御馬(おうま)が通る〜
一茶の次の一句も有名です。
〜我(われ)と来て遊べや親のない雀〜
親のない雀は、すなわち雀の子ですから、季節は春です。
どちらの句にも、一茶の優しさがにじみ出ているといえるでしょう。
「雀の子」といえば、江戸時代後期の俳人、小林一茶の次の句を思い起こす人もいるでしょう。
〜雀の子そこのけそこのけ御馬(おうま)が通る〜
一茶の次の一句も有名です。
〜我(われ)と来て遊べや親のない雀〜
親のない雀は、すなわち雀の子ですから、季節は春です。
どちらの句にも、一茶の優しさがにじみ出ているといえるでしょう。
街路や公園を彩る「花水木(ハナミズキ)」
「花水木」は、北アメリカ原産のミズキ科の落葉小高木です。
1911(明治45)年、当時の東京市長、尾崎行雄が日本の桜の苗木をアメリカの首都、ワシントンD.C.に贈ったところ、返礼として、1915(大正4)年に花水木がアメリカから贈られました。
ここから、日本での花水木の歴史が始まり、今では、全国の公園や街路、庭などで、花水木の花などを楽しむことができます。
白や薄紅色の花びら(花弁)のように見える部分は、じつは花びらではありません。総苞片(そうほうへん)と呼ばれる、花のつけ根の葉なのです。
花は総苞片の中央に集まっている小さなつぶつぶ状のもの。「これが花?」という感じもします。
花水木の花は、だいたい桜の花と入れ替わるように咲きます。秋になると、花水木は赤い実や艶(あで)やかな紅葉で、私たちを楽しませてくれます。
「清明」は「清らかで明るい」と書きます。なんともまっすぐで、曇りのない言葉です。
清明は生命力にあふれ、樹木も動物も人も、活力みなぎる時季です。澄んだ大気を思い切り吸い込んで、さぁ、前へ――。そんな時季にしたいものです。
>>その他の記事をアプリで見る
1911(明治45)年、当時の東京市長、尾崎行雄が日本の桜の苗木をアメリカの首都、ワシントンD.C.に贈ったところ、返礼として、1915(大正4)年に花水木がアメリカから贈られました。
ここから、日本での花水木の歴史が始まり、今では、全国の公園や街路、庭などで、花水木の花などを楽しむことができます。
白や薄紅色の花びら(花弁)のように見える部分は、じつは花びらではありません。総苞片(そうほうへん)と呼ばれる、花のつけ根の葉なのです。
花は総苞片の中央に集まっている小さなつぶつぶ状のもの。「これが花?」という感じもします。
花水木の花は、だいたい桜の花と入れ替わるように咲きます。秋になると、花水木は赤い実や艶(あで)やかな紅葉で、私たちを楽しませてくれます。
「清明」は「清らかで明るい」と書きます。なんともまっすぐで、曇りのない言葉です。
清明は生命力にあふれ、樹木も動物も人も、活力みなぎる時季です。澄んだ大気を思い切り吸い込んで、さぁ、前へ――。そんな時季にしたいものです。
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参考資料など
監修/山下景子:作家。『二十四節気と七十二候の季節手帖』(成美堂出版)や『日本美人の七十二候』(PHP研究所)など、和暦などから日本語や言葉の美しさをテーマとした著書が多数ある。