海底火山「噴火浅根」(北硫黄島付近)で噴火が発生か 衛星から検出
2022/03/27 23:30 ウェザーニュース
小笠原諸島の北硫黄島付近の海底火山「噴火浅根(ふんかあさね)」で噴火が発生した模様です。
気象庁は今日3月27日(日)22時40分に、噴火に関する火山観測報を発表しました。噴火は今日18時頃に発生し、噴煙は海面上7000m(海抜23000FT)の高さにのぼっているとされています。
気象衛星ひまわりからの観測では、噴煙とみられる像が北東に流れる様子が確認されています。
ウェザーニューズの地象センターでも状況を調査中です。詳しい情報がわかりましたら更新します。
衛星画像や監視カメラでは噴煙を確認出来ず
ウェザーニューズ独自レーダーによる観測画像
※動画が見られない場合は、オリジナル記事よりご覧ください 今朝の噴火が発生した当時、阿蘇山の山頂付近は雲に覆われていたため、噴煙の状況は監視カメラや衛星画像では確認が出来ませんでした。
ウェザーニューズでは気象観測用の小型レーダーを全国に設置していて、このうち熊本県阿蘇市に設置したレーダーでは、4時47分頃から阿蘇山周辺にエコーが映り始め、鉛直断面画像では火口上2000m程度にまでエコーが昇っている様子がわかります。
阿蘇山周辺で降灰も
気象庁の現地調査や聞き取り調査によると、熊本県、大分県、宮崎県の一部で、阿蘇山からのものとみられる降灰が確認されたとのことです。
2016年の噴火の際は、ウェザーニューズのレーダーで1万1000m程度の高さにまで噴煙が上ったことが確認され、ウェザーニューズのユーザー調査による降灰は九州だけでなく四国でも確認されていました。
昨日 噴火警戒レベル2に引き上げ
気象庁は昨日13日(水)に、火山性微動の振幅が大きくなっているとして、阿蘇山の噴火警戒レベルをレベル1(活火山であることに留意)からレベル2(火口周辺規制)に引き上げていました。
火山性微動とは、火山体またはその周辺で発生する震動で、火山性地震よりも継続時間の長いものです。地下のマグマや火山ガス、熱水などの流体の移動や振動が原因と考えられるものや、微小な地震が続けて発生したことによると考えられるものがあり、火山活動が活発化した時や火山が噴火した際に多く観測されます。
気象庁によると、今朝の噴火以降は火山性微動の振幅は小さくなったとのことです。今後の火山活動の状況変化に注意してください。
気象庁 噴火警報を発表
気象庁は23時14分に噴火浅根に噴火警報(周辺海域)を発表しました。
周辺海域では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石やベースサージ(横なぐりの噴煙)に警戒してください。また、噴火による浮遊物(軽石等)に注意が必要です。
23時30分現在も噴火は継続しているとみられます。