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エアコンの正しい「冬じまい」5つのポイント解説

2022/03/25 09:07 ウェザーニュース

いよいよ本格的な春の到来が近づき、長く室内を快適にしてくれたエアコンの暖房機能も、使わずに済む時季がやってきました。

ただし、エアコンには“次の出番”である夏の冷房使用時に向けて、大切な「冬じまい」の支度が必要だそうです。家電メーカー大手・パナソニックのエアーマイスター福田風子さんに、暖房機能を使い終えたエアコンのお手入れ方法について伺いました。

今冬はエアコンの使用時間が増加

“寒かったな”と感じたこの冬、気象庁のデータによると、2021年12月から22年2月にかけて東・西日本ともに平均気温が平年を0.5℃下回り、4年ぶりの「寒冬(かんとう)」になりました。

この寒さに伴って、パナソニックが実施した「冬のエアコン使用実態調査」(2021年11月~22年2月)でも、エアコン暖房の利用時間は全国的に昨シーズンに比べて増加したそうです。

「北から順に、宮城県は10.1時間、東京都は54.1時間、大阪府は78.8時間、エアコン暖房の使用時間が昨シーズンよりも増加しています。特に福岡県の増加が目立ち、138.6時間も上回りました。これは、2021年12月以降、東・西日本で強い寒気の影響を受けたためと考えています」(福田さん)

エアコンの「冬じまい」5つのポイント

暖房の利用時間が増えた今シーズン、夏の冷房使用時に向けてエアコンの「冬じまい」の掃除は、より念入りに行う必要があります。エアコンの掃除方法には決まった手順があり、機器のパーツごとに異なるそうです。

「エアコンの冬じまいのお手入れを始める際には、けがを防ぐために必ず運転を停止して、電源プラグを抜きます。そのうえで、次のようなポイントに注意して作業を始めてください」(福田さん)

▼前面パネルは清潔な雑巾で拭く
エアコンの前面を覆っているパネルは、多くの機種で取り外しが可能です。本体から外したら、そのまま清潔な雑巾で拭きましょう。内部の掃除が終わったら、再び取り付けます。

▼フィルターについたホコリは掃除機で吸い込む
エアコンの使い心地を左右するのがフィルターの掃除です。一度本体から取り外し、掃除機を使ってホコリを吸い込んでいきます。汚れがひどい場合は薄めた中性洗剤での浸け置き洗いがおすすめです。

湿っているとカビの原因にもなるのでよく乾燥させ、本体に戻してください。

エアフィルターの経年劣化やフィルター部分の破れなどがあった時は、エアフィルターごと取り替えましょう。購入の際は本体の品番と対応しているか、フィルターの形状がどうなっているかも確認してください。

『防カビ』『脱臭』『除菌』用など各種フィルターとの併用もおすすめです。

▼内部クリーン機能付きなら内部クリーン運転を
フィルターを外した本体内部(アルミフィン部分)に汚れやカビが付着していたら、内部クリーン機能付きのエアコンをお使いの場合は、フィルターのお手入れと併せて内部クリーン運転を行なってください。

においが軽減しない場合やカビくさいにおいがする場合はエアコンのクリーニングをおすすめします。販売店や各メーカーの修理相談窓口へご相談ください。

▼ルーバーは柔らかい布で乾拭き
エアコンの縦羽部分を『ルーバー』と呼びます。ルーバーは隙間が狭く、掃除機などが届かないので、柔らかい布で乾拭きしてください。

▼(汚れがひどい場合は)本体を水かぬるま湯を含ませた布を絞って拭く
エアコン本体は雑巾で拭くだけなので、難易度が低いように感じられるかもしれません。ただ、細かい溝があったり、しつこい汚れがこびりついていたりと一筋縄にはいかない箇所でもあります。

状態に応じて、乾拭きではなく水かぬるま湯を含ませた布をよく絞って拭く、掃除ブラシやエアダスターなどを使い分けるといった工夫をしましょう。

化学雑巾などを使うときは、その注意書きにしたがってください。傷がつきやすいので、硬い布でのこすりすぎも気を付けましょう。

掃除後の試運転も大切

エアコンの「冬じまい」の清掃の後には、冷房使用時に不具合が生じないか、機器の試運転をしておくことも大切だそうです。

「次の3つの手順で、エアコンの試運転を行ってください」(福田さん)

(1)電源を入れる前にブレーカーやコンセントにホコリがないか確認
エアコン用のブレーカーが『入』になっていて、電源プラグやコンセントの周辺にホコリがたまっていないかを確認します。ホコリが原因で発火につながる場合があります。

(2)運転モードを『冷房』にして運転開始
室内温度より3℃以上低くして運転を開始します。エアコンがしっかり動くまで、30分以上運転を続けてください。

(3)リモコンやエアコン本体に不具合がないかチェック
冷たい風が出ればOKです。併せて水漏れ、異臭、異音がしないかなど、エアコンに不具合がないか確認してください。

「ランプが点滅している場合には、異常をお知らせしています。一度電源プラグを抜くか、ブレーカーを落として少し経ってから再度電源を入れて運転してみてください。

それでも点滅が消えない場合にはエラーコードを確認し、コードに合わせた操作と対応を行ってください」(福田さん)

気象庁が2月に発表したこの夏の暖候期予報によると、全国的に暖かい空気に覆われやすく気温は北日本から西日本で平年より高い予想で、猛暑が続く恐れがあるそうです。

猛暑の中での適切な冷房使用で少しでも快適な夏を過ごすため、エアコンの「冬じまい」を念入りに行っておきましょう。
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