全体の3割超を3~5月の「春」が占める
「令和3年度 消防白書」(総務省消防庁、2022年1月発表)によると、2020年は1~2・12月の火災発生件数9509件に対し、3~5月が1万472件と最も多かったといいます。年間総数3万4691件の30.2%を春が占めていることになります。
総数のうち「建物」が1万9365件と全体の55.8%にあたり、焼損棟数は全焼からぼやまで合わせると2万7464棟、このうち3~5月が7587棟(年間の27.6%)となっています。
乾燥が続くうえに風が強い春は、燃焼しやすくなる気象条件が揃っているため、火災が多くなるのです。
東京消防庁でも「乾燥した日が続いた後、寒冷前線が通過し、風が北寄りから西や南よりに変わるような気象状況の時は特に注意が必要であり、このような火災の発生しやすい時期をとらえて、春・秋の年2回、全国的に火災予防運動が行われます」と注意を促します。
総数のうち「建物」が1万9365件と全体の55.8%にあたり、焼損棟数は全焼からぼやまで合わせると2万7464棟、このうち3~5月が7587棟(年間の27.6%)となっています。
乾燥が続くうえに風が強い春は、燃焼しやすくなる気象条件が揃っているため、火災が多くなるのです。
東京消防庁でも「乾燥した日が続いた後、寒冷前線が通過し、風が北寄りから西や南よりに変わるような気象状況の時は特に注意が必要であり、このような火災の発生しやすい時期をとらえて、春・秋の年2回、全国的に火災予防運動が行われます」と注意を促します。
住宅火災死者数上位は、たばことこんろ
2020年の住宅火災発生件数は、建物火災のうち54.5%にあたる1万564件でした。住宅火災による死者は899人。住宅火災の件数は総出火件数の約3割ですが、死者数は総死者数の約7割を占めています。
住宅火災で、放火自殺者などを除く出火原因別死者数の1位はたばこで140人(15.6%)、2位がストーブで84人(9.3%)。以下、電灯・電話などの配線59人(6.6%)、配線器具44人(4.9%)、こんろ30人(3.3%)、マッチ・ライター24人(2.7%)と続きました。
総出火件数でみても、たばこは3104件(8.9%)で最も高い割合となっています。こんろもたき火に続いて2.792件(8.0%)と原因の第3位です。ストーブが用済みとなった春以降、住宅火災を防ぐ際に気を付けなければいけない重要ポイントとして、たばことこんろの不始末がまず挙げられるといえるでしょう。
住宅火災で、放火自殺者などを除く出火原因別死者数の1位はたばこで140人(15.6%)、2位がストーブで84人(9.3%)。以下、電灯・電話などの配線59人(6.6%)、配線器具44人(4.9%)、こんろ30人(3.3%)、マッチ・ライター24人(2.7%)と続きました。
総出火件数でみても、たばこは3104件(8.9%)で最も高い割合となっています。こんろもたき火に続いて2.792件(8.0%)と原因の第3位です。ストーブが用済みとなった春以降、住宅火災を防ぐ際に気を付けなければいけない重要ポイントとして、たばことこんろの不始末がまず挙げられるといえるでしょう。
いのちを守る10のポイント
総務省消防庁は「住宅火災 いのちを守る10のポイント」として、4つの習慣と6つの対策を呼び掛けています。
【4つの習慣】
(1)寝たばこは絶対にしない、させない
(2)ストーブの周りに燃えやすいものを置かない
(3)こんろを使うときは火のそばを離れない
(4)コンセントはほこりを清掃し、不必要なプラグは抜く
【6つの対策】
(1)ストーブやこんろなどは安全装置の付いた機器を使用する
(2)住宅用火災警報器を定期的に点検し、10年を目安に交換する
(3)部屋を整理整頓し、寝具、衣類およびカーテンは、防災品を使用する
(4)消火器などを設置し、使い方を確認しておく
(5)お年寄りや身体の不自由な人は避難経路と避難方法を常に確保し、備えておく
(6)防火防災訓練への参加、戸別訪問などにより地域ぐるみの防火対策を行う
総務省消防庁が特に強調しているのは、住宅用火災警報器の設置効果です。住宅火災における被害状況を分析したところ、住宅火災警報器が設置されている場合は、設置されていない場合に比べ、死者数と焼損床面積は半減、損害額は約4割減となったといいます。
また、東京消防庁は「令和4年春の火災予防運動」(2022年3月1~7日)で、消火器など消火器具の必要性・重要性を訴えました。火を消す道具として一番身近にあるものは消火器具です。もし火事が起きた時には消火器具を使用し、初期消火を成功させることで被害を小さくすることができます。
消火器による消火の限界の目安は、炎が天井に達するまでといいます。消火器を家庭内のわかりやすい場所に常備。使い方をしっかり確認して、万が一の際には初期消火にも務めましょう。
【4つの習慣】
(1)寝たばこは絶対にしない、させない
(2)ストーブの周りに燃えやすいものを置かない
(3)こんろを使うときは火のそばを離れない
(4)コンセントはほこりを清掃し、不必要なプラグは抜く
【6つの対策】
(1)ストーブやこんろなどは安全装置の付いた機器を使用する
(2)住宅用火災警報器を定期的に点検し、10年を目安に交換する
(3)部屋を整理整頓し、寝具、衣類およびカーテンは、防災品を使用する
(4)消火器などを設置し、使い方を確認しておく
(5)お年寄りや身体の不自由な人は避難経路と避難方法を常に確保し、備えておく
(6)防火防災訓練への参加、戸別訪問などにより地域ぐるみの防火対策を行う
総務省消防庁が特に強調しているのは、住宅用火災警報器の設置効果です。住宅火災における被害状況を分析したところ、住宅火災警報器が設置されている場合は、設置されていない場合に比べ、死者数と焼損床面積は半減、損害額は約4割減となったといいます。
また、東京消防庁は「令和4年春の火災予防運動」(2022年3月1~7日)で、消火器など消火器具の必要性・重要性を訴えました。火を消す道具として一番身近にあるものは消火器具です。もし火事が起きた時には消火器具を使用し、初期消火を成功させることで被害を小さくすることができます。
消火器による消火の限界の目安は、炎が天井に達するまでといいます。消火器を家庭内のわかりやすい場所に常備。使い方をしっかり確認して、万が一の際には初期消火にも務めましょう。
乾燥や風速の気象情報もチェック
天気予報で報じられる「乾燥注意報」もチェックするべきポイントです。春も空気が乾燥しやすい日が少なくありません。風が強い日も要注意です。
各自治体から発令される「火災警報」は、基本的に湿度と風速によって判断されています。東京都が火災警報を出す際の基準は、次のとおりです。
(1)実効湿度50%以下、最小湿度25%以下になる見込みの時。
(2)平均風速13m/s以上の風が吹く見込みの時。
(3)実効湿度が60%以下であって、最小湿度が30%以下となり、平均風速10m/s以上の風が吹く見込みの時(実効湿度とは、前日と当日の平均湿度を用いて計算され、木材の乾燥具合を表す数値)
気象庁が発表する「乾燥注意報」もチェックが必要です。「乾燥注意報」と聞くと、“のど荒れや肌のかさつきに気を付けよう”など、体のケアへの注意と考えがちですが、実は火災の危険に対して注意を促すものなのです。
寒い冬が終わり、火災の原因となるストーブを片付けたからといって気を緩めることなく、「いのちを守る10のポイント」を順守し、「乾燥注意報」にも気を配りながら、火災が最も多い春の季節を安心・安全に過ごしていきましょう。
>>お天気ニュースをアプリで見る
各自治体から発令される「火災警報」は、基本的に湿度と風速によって判断されています。東京都が火災警報を出す際の基準は、次のとおりです。
(1)実効湿度50%以下、最小湿度25%以下になる見込みの時。
(2)平均風速13m/s以上の風が吹く見込みの時。
(3)実効湿度が60%以下であって、最小湿度が30%以下となり、平均風速10m/s以上の風が吹く見込みの時(実効湿度とは、前日と当日の平均湿度を用いて計算され、木材の乾燥具合を表す数値)
気象庁が発表する「乾燥注意報」もチェックが必要です。「乾燥注意報」と聞くと、“のど荒れや肌のかさつきに気を付けよう”など、体のケアへの注意と考えがちですが、実は火災の危険に対して注意を促すものなのです。
寒い冬が終わり、火災の原因となるストーブを片付けたからといって気を緩めることなく、「いのちを守る10のポイント」を順守し、「乾燥注意報」にも気を配りながら、火災が最も多い春の季節を安心・安全に過ごしていきましょう。
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参考資料など
総務省消防庁「令和3年度 消防白書」