facebook line twitter mail

「春だる」予防の決め手は自律神経 強化するポイントは?

2022/03/14 14:05 ウェザーニュース

春なのに、「やる気が出ない」「体が重い」「頭痛がする」など憂うつになってはいないでしょうか。季節の変わり目に起きやすい天気痛の影響かもしれません。ウェザーニューズ気象病顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生に、対策を教えていただきます。

その不調、「春だる」かも

春に体調が悪くなったと感じている人が少なくないようです。

ウェザーニュースのアンケート調査では全体の4人に1人(25%)、女性だけに絞ってみると約3人に1人(32%)が「冬場よりも体調の悪い日が増えた」と回答しました(2022年3月11〜12日実施、8005人回答)。

春は新しいスタートの時期でもありますが、心や体がついていけないというケースも多いようです。「決して怠けているのではなく、 “春だる”かもしれません」と、佐藤先生は説明します。

〈主な「春だる」の症状〉
・体がだるい
・めまいや立ちくらみ
・頭痛や肩こり
・イライラや気持ちの落ち込み
・朝起き抜けから疲労感がある
・光をまぶしく感じる
・常に眠気を感じる

「季節の変わり目である春は、心と体に様々な不調を訴える人が珍しくありません。『これくらい』とやり過ごしているうちに、さらに状態が悪くなってしまうかもしれません」(佐藤先生)

原因は自律神経の乱れ?

なぜ、春に不調が起きやすいのでしょうか。

「春は、人の体が冬用から春夏用に変わっていくときです。それなのに寒暖差や気圧の変動が大きく、自律神経が緊張状態に傾きやすくなります。さらに、進学や就職、職場や家庭での変化のストレスや疲れが加わります。自律神経の乱れが心や体調に現れても不思議はないのです」(佐藤先生)

忙しいシーズンだけに、何とか元気を取り戻したいものです。

「『春だる』は、天気の変化から自律神経の乱れ、不調が起きる天気痛の一種といえます。解消するためには、天気痛対策でもある体を整える生活が有効です」(佐藤先生)

「春だる」解消のポイント

「春だる」を防ぐには自律神経を強化する必要があります。そのためにも避けたいNG習慣を佐藤先生に伺いました。

(1)朝はギリギリまで眠り、休みの日は寝溜め
→一定の時間に起床、就寝を


「体内時計が狂うと、自律神経の乱れにつながります。生活のリズム、特に起床時間を一定にすることが大切です」(佐藤先生)

(2)学業、仕事以外の時間はなるべく休む
→適度な運動を行う


「運動は血流を促し、体温を高めに保つ効果があります。きつい筋トレや激しいスポーツなどで疲労を溜め過るのでなければ、大丈夫です」(佐藤先生)

(3)朝ごはんの時間も惜しんで、飛び出している
→朝は太陽の光を浴び、朝食を取る


「朝食を食べることは、エネルギー補給になり体温を保ちます。また、朝の太陽の光を浴びると、体内時計の調整に役立ちます」(佐藤先生)

(4)服装を春らしくしている
→首・手首・足首を冷やさない注意を


「春は意外に冷えるので、血行不良を起こさないよう体を保温することも大切です。特に『首』のつく部位は動脈が体表近くにあるので注意を」(佐藤先生)

(5)疲れやストレスで好きなものばかり食べてしまう
→疲労回復に役立つ栄養を


「バランスのよい食生活は健康の土台です。“春だる”解消には、代謝を促し自律神経を整える働きのあるビタミンBのほか、亜鉛やマグネシウム、鉄などのミネラルも補給したいものです」(佐藤先生)

このほか、朝1杯の水を飲んで体を目覚めさせたり、夜にぬるめのお風呂に入ってリラックスモードになることなども、体内時計を整えるのに役立つといいます。

「当たり前のことばかりと思うかもしれません。しかし、普段の積み重ねが体に無理をかけているので、一つひとつ解消していくことが“春だる”解消には大切なのです」(佐藤先生)

季節や環境の変化は避けられませんが、自分でできることもあります。体を整え、元気に過ごしましょう。
» 詳しい天気をアプリで見る