facebook line twitter mail

コロナ禍で災害への意識が向上 避難場所の認知度や備蓄意識が高まる #東日本大震災から11年

ウェザーニュース 減災調査2022

2022/03/09 08:54 ウェザーニュース

2022年3月11日で、東日本大震災が発生してから11年。
ウェザーニュースでは「減災調査2022」を実施し、防災・減災への意識の実態や変化について調査しました。

■ 調査項目 ■
1.避難場所の認知
2.非常食の備蓄状況
3.災害情報の入手方法

1.避難場所の認知:若年層の認知向上が課題

避難場所の認知について調査したところ、自宅付近の避難場所に「経路も場所も含めて知っている」が69%、「場所のみ知っている」が24%となりました。全体としては9割を超えています。

一方、会社や学校付近の避難場所については「経路も場所も含めて知っている」50%、「場所のみ知っている」が22%となりました。全体としては7割と、自宅付近と比べて2割程度低下する結果となりました。

年齢が高いほど、「知っている」割合が多い
会社や学校付近の避難場所について年代別で見ると、若い年代ほど避難場所を「知っている」割合が低いことがわかりました。60代以上になると77%ですが、20代では61%と、10ポイント以上の差となっています。

避難場所の認知に関しては若年層へのアプローチが今後の課題と言えそうです。

2.非常食の備蓄状況:コロナ禍で備蓄の意識が加速か

太平洋側ほど高く、日本海側ほど低い傾向
非常食の備蓄状況について調査を行ったところ、非常食の備蓄率(※)としては77%、平均備蓄日数は3.09日という結果となりました。

地域別で見ると、太平洋側ほど高く、日本海側ほど低いと言えそうです。その中でも特に高いのが「宮城県」「和歌山県」「宮崎県」です。避難場所の認知度での調査と同じく、東日本大震災の経験した地域や、南海トラフ地震の被害想定地域で比較的高い傾向となっています。

※備蓄率…全回答数に対し、「1日分」「約3日分」「約1週間分」と回答した方の割合

平均備蓄日数はここ3年の増加幅が大きい
年毎に見ると、平均備蓄日数去年から大幅に上がり、調査開始以来、一番高い結果となりました。「約1日分」が減少し、「約1週間分」が増加したことが、平均備蓄日数の増加の要因と言えそうです。

40代以下は2020年から
50代以上は2021年から備蓄率が大きく向上
年代別で見ると、平均備蓄日数は最近5年で増加傾向ですが、大きく増加したタイミングが年代で異なります。

40代以下の方は2020年に増加し、その後は横ばいになっています。しかし、50代以上は2021年から増加し、現在も増加の一途を辿っていることがわかりました。

新型コロナウイルス流行が原因で備蓄への意識が増加しているように見受けられますが、意識の浸透速度に年代で差があることは、興味深い結果です。

3.災害情報の入手方法:スマホが浸透し、テレビ・ラジオが減少傾向

テレビ・ラジオが年々減少する分スマホの割合が増加
最後に、災害情報の入手方法について調査を行いました。

その結果、「スマホ」が6割を超える結果となりました。そして、年毎に見ると、「スマホ」と回答した方の割合が年々増加する一方、「テレビ」「ラジオ」の割合が年々減少していることがわかりました。

若年層ほど、スマホの割合が高い
年代別で見ると、「防災無線」「パソコン」「ラジオ」に関しては年代によって大きな差はないものの、若年層ほど「スマホ」は高く、「テレビ」が低くなっている傾向が見て取れます。

また、「スマホ」の割合が60代でも過半数を上回る結果となり、スマホの普及とともに、どの年代でも災害情報に「スマホ」が活用されつつあることがこの調査からも伺うことができました。
今回の調査から、年代や地域によって、災害への意識に違いがあることがわかりました。これらの結果を踏まえて、備えの意識向上に繋げて行きたいと思います。

ウェザーニューズでは、今後も過去の災害の教訓を伝え、次の防災・減災に繋げる取り組みを続けてまいります。

>>天気アプリで災害に備える

「減災調査2022」
対象:スマホアプリ「ウェザーニュース」利用者
期間:2022年2月24日〜27日
回答数:9,495