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飲酒で悪化!? アルコールと花粉症

2022/02/28 06:13 ウェザーニュース

関東南部や九州など「花粉シーズン」に突入した地域も増えてきました。つらい花粉症の症状を軽減するためには、体のなかから整えることも大切だといいます。

東洋医学から花粉症を改善するための肝臓の養生について、『季節の不調が必ずラク〜になる本』(文化出版局)の著者で国際中医薬膳師で源保堂鍼灸院の瀬戸佳子先生に教えていただきます。

花粉症と肝臓の関係とは

花粉症というと、花粉の飛散量ばかりに注目してしまいがちですが、瀬戸先生は体の内側にある原因も改善して欲しいと訴えます。

「花粉症は、体内に入った花粉へのアレルギー反応により発症するものです。花粉=異物への体のバリアが十分に働かず、デトックスできない状態で、アレルギー反応を抑えることができないのが問題なのです」(瀬戸先生)

大切なのは、花粉を体内に入れない、溜めない、反応させないことだといいます。

「例えば、花粉ではくしゃみや目のかゆみがつらいですね。鼻や目など粘膜のが正常に働くには、きちんと潤っている必要があります。

しかし、冬の乾燥や体調の乱れから粘膜が乾燥してしまうとバリア機能が落ち、さらに正常に異物に対処できずに鼻水が大量に発生したり、炎症からかゆみとなってしまうのです」(瀬戸先生)

花粉症は、粘膜や肌の乾燥のほか、体内の水分バランス、血の巡り、腸内環境などの乱れが影響しあって発症しているのだといいます。瀬戸先生が改善すべき重要な器官の一つだと指摘するのが肝臓です。

「東洋医学では『肝』といい、体内に入った異物の解毒や排出に重要な働きをしています。

ただ、様々な働きをする臓器だけにダメージも受けやすいのです。甘いもの、脂っこいものの食べ過ぎなどのほか、ストレス、寝不足や過労など不摂生による負担が重なると、花粉の解毒などが追いつかなくなってしまいます」(瀬戸先生)

肝臓の機能低下を防ぎ、よく働けるようにすることが花粉症改善につながります。

肝臓を元気にするためのポイント

花粉症対策でカギとなる肝臓を養生する具体的な方法について、瀬戸先生は以下の3つのポイントを挙げています。

▼午前1〜3時は必ず眠る
肝臓が修復されやすい時間帯なので、必ず寝るようにしましょう。また、寝不足や睡眠の質の低下は避けましょう。

▼食事は和食中心に
生もの、味の濃いもの、辛いもの、甘いもの、乳製品などは控えめに。逆にシソやキャベツなどの葉物を多めに。

▼怒らない、イライラしない
感情のデトックスをするのも肝臓の働き。怒りやイライラは肝臓を疲れさせてしまうので、運動や趣味で上手にストレス発散すると良いです。

「また、マスクをしたり肌の保湿をして、少しでも花粉を体に入れないようにしましょう。じんわり汗ばむような運動をしたり、くしゃみや鼻水を止め過ぎないことも排出に役立ちます」(瀬戸先生)

飲酒で花粉症が悪化!?

肝臓をいたわるためにもう一つ、とても大切なのが飲酒です。

「『酒は百薬の長』といいますが、花粉症の症状を悪化させるリスクが多くあります。

まず、アルコールの分解には肝臓が働き、花粉の解毒が追いつかなくなります。アルコールの影響で体内に熱が生じ、炎症を強めてしまいます。さらに、アルコールを分解するために水分を使うことで胃酸が薄まって消化力が落ち、粘膜や水分のバランスが崩れるなどの悪影響があるのです。

花粉症のためにはできるだけお酒は控えたほうが良いのですが、難しければ飲む量や回数を減らしたいものです。

また、飲酒するときは、お酒と同量の水を飲むようにします。翌朝にデトックスに役立つみそ汁やグレープフルーツジュースを飲むのもよいでしょう。ただ症状が強いときは、ぜひ休肝日としてください」(瀬戸先生)

スギ花粉の飛散のピークはこれからです。体を整えることで春の季節を少しでも快適に過ごしたいものです。

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