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ハイシーズン前に知っておきたい 花粉症の症状をやわらげる食生活

2022/02/26 05:21 ウェザーニュース

ようやく春の兆しを感じられるようになってきましたが、同時に花粉が心配な時季でもあります。花粉症の症状をやわらげる食生活について、「せたがや内科・神経内科クリニック」(東京都世田谷区)の久手堅司(くでけん・つかさ)院長に教えていただきましょう。

なぜ、花粉症と食生活が関係する?

花粉症といえば、鼻水、鼻づまりに目のかゆみ、眠気や頭痛などの症状に悩まされますが、なぜ、食べものと関係するのでしょうか。

「花粉症が、アレルギー疾患の1つだからです。本来は無害なはずの花粉で不快な症状が出るのは、免疫反応によるものです。

免疫とは、ウイルスや細菌など体にとって有害なものを退治するためのシステムです。ところが、花粉を“敵”と誤認してしまうことで起きる過剰反応が、花粉症などのアレルギー疾患です。そして、腸内環境は免疫機能と深く関わっています」(久手堅先生)

腸内環境は人の健康に大きな影響を与えるものですが、腸内には人の免疫機能の70%が集まっているとも言われています。

「食べたり飲んだりしたものは、腸内細菌に影響を与えることがわかっています。腸内環境の乱れは免疫に悪影響を与えます。これから来る花粉飛散ピークを迎える前に、花粉症の人はお腹から体を整えておきたいのです」(久手堅先生)

腸内環境を乱し、花粉症によくないものを紹介します。

腸内環境に良い食材とは?

▼発酵食品
乳酸菌・ビフィズス菌など含む発酵食品は効果を実感しやすいといいます。ヨーグルトや乳酸菌飲料、漬物、納豆、キムチなど。

▼ビタミンE・ビタミンDを多く含む食品
免疫の調整に役立ちます。ビタミンDが豊富な食品は、干し椎茸やイワシ、シラス、紅鮭など。ビタミンEはナッツ類や大豆、うなぎ、かぼちゃなどに豊富です。

▼食物繊維の多い食品
食物繊維は、腸内の善玉菌のエサとなります。ごぼうやれんこんなどの根菜類、きのこ類、海藻類など。

▼青魚
青魚に多く含まれるDHA・EPAはアレルギー誘発物質ヒスタミンの働きを抑えてくれます。アジやサンマ、イワシなど。

摂り過ぎ注意の食材は?

▼ジャンクフード
トランス脂肪酸や添加物を多く摂ると腸内環境の悪化につながります。インスタント食品やファストフードなどに偏った食生活は改めましょう。

▼脂っぽい食事
言うまでもなく脂質は人にとって欠かせない栄養素です。しかし、摂りすぎは消化吸収が悪くなったり腸内環境を悪化させます。

「これらは、“食べてすぐ治る“”食べたら悪化する“というようなものではなく、バランスよく取り入れるのがポイントです。毎日の生活で少し気をつけることで、腸内環境を整え体質改善が期待できます。

また、過度な飲酒や、睡眠不足などの生活の乱れも避けたほうがよいですね」(久手堅先生)

花粉症と関係のあるアレルギー?

意外なところで症状の悪化につながっているかもしれないのが、オレンジやリンゴ、サクランボ、メロン、トマトなどの果物や野菜です。

「花粉症のアレルゲンと似た物質を含む果物や野菜で、アレルギー症状が起こることがあるのです。『口腔アレルギー症候群』と呼ばれています。

症状は口や喉にかゆみや軽い痛みなどで、比較的軽いことが多いです。花粉症だからといって必ずアレルギーが出るわけではありませんが、スギの花粉症だけでなく、白樺、ブタクサなどの花粉症でもアレルギーを示す人はいます。気になることがあったら、原因の食物は控えましょう」(久手堅先生)

春は憂鬱という人も、少しでも快適に過ごすために体を整えていきましょう。
※症状が重い場合はすぐに病院を受診してください。

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