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偏頭痛や緊張性頭痛をやわらげるツボ4選

2022/02/21 06:04 ウェザーニュース

寒暖差や気圧差といった天気の変化が大きい冬は、頭痛もちにとって辛い季節です。

約4000年の歴史のある東洋医学の知恵から、頭痛に効くツボを教えていただきます。

寒い時期に起きやすい頭痛とは

「頭痛は、東洋医学でも古くからツボや漢方薬を使って治してきた歴史がある」と、源保堂鍼灸院(東京都渋谷区)の瀬戸郁保先生は語ります。

東洋医学のもっとも古い文献のひとつ『黄帝内経(こうていだいけい)』にも、頭痛に関する記述があるといいます。

「現代医学では、頭痛をいくつかの種類に分類していますが、東洋医学でも同様です。寒い時期に起きやすい頭痛は、西洋医学では『緊張性頭痛』と『偏頭痛』が挙げられますが、これらに対応するツボをご紹介しましょう」(瀬戸先生)

ツボは、基本的に指先でじんわりと10秒ほどかけて押します。少し休んで、数回繰り返し刺激しましょう。

「緊張性頭痛」によい2つのツボ

緊張性頭痛とは、頭や首などの神経の緊張によって起きる頭痛です。

「寒いと体が縮こまり、筋肉も硬くなって頭皮への血流が悪くなります。さらにPC作業やスマホの操作などで同じ姿勢をとり続けると、肩や首の周りの筋肉が凝って緊張性頭痛につながっていきます。

鍼灸のツボは、こういったコリをやわらげるのが得意です。緊張性頭痛を解消するためには、首・頭周りの血流をよくするツボが効果的です」(瀬戸先生)

▼風池(ふうち)

頭と首の付け根で、髪の生え際、首筋のやや外側のくぼみにあるツボです。

「首の筋肉の緊張を取り除き、この周辺の血流も改善するツボです。押すととても気持ちがいいので、感覚的にとらえやすいですね。

また、ストレスも解消するツボです。仕事が立て込んでいるなどストレスが強いと頭皮は緊張しますが、そこから起きる頭痛を解消してくれます」(瀬戸先生)

▼肱中(こうちゅう)

上腕の脇から肘を結んだ真ん中、上腕二頭筋の中央にあるツボです。

「首から肩にかけての血流を改善効果が期待できます。

長時間のデスクワークで首や肩が凝りかたまってしまった場合は、血流が悪くなって血瘀(けつお)になっていると考えられます。血瘀がさらに悪化すると瘀血(おけつ)となり、自覚症状もあらわれない頑固なコリになって、頭皮の緊張につながります。血瘀・瘀血を改善するツボが、肱中です」(瀬戸先生)

「偏頭痛」によい2つのツボ

偏頭痛は、頭蓋骨内の血管が拡がり、神経を圧迫することによって起きる頭痛です。顔に分布している神経の「三叉(さんさ)神経」が関係し、光や音なども刺激となります。

「寒い時期に起きる偏頭痛は、寒暖の差による刺激によるものが多いかと思います。そこで、リンパの流れなどに関係する三焦経(さんしょうけい)というツボを使います。

三焦経は、体に流れる気・血・水(きけつすい)のうち、水の流れと関わりが深く、その流れを改善することで頭痛の改善に役立つのです」(瀬戸先生)

▼関衝(かんしょう)

関衝は、薬指の爪の付け根で、小指側のくぼんだところにあります。

「関衝は三焦経の井金穴(せいきんけつ)といって、三焦経のスタートになります。痛気持ちいいくらいの押すと効果的です」(瀬戸先生)

▼四瀆(しとく)

四瀆は腕の外側で、手首と肘を結んだ真ん中よりも約3cm上にあります。

「耳鳴り、難聴などにも使うツボですが、外からの刺激を強く感じて起きる偏頭痛に特に効果的です」(瀬戸先生)

ただし、なかには注意が必要な頭痛もあります。

「寒い時期の頭痛のなかには、血圧が高くなって起きているものもあります。あまり続くようでしたら一度血圧を測ったり、病院で検査を受けることをお奨めします。また、頻度が高かったり痛みが強い場合は、脳に何らかの原因がある頭痛のおそれもあるので、病院で診てもらってくださいね。

また、頭痛とともに体の冷えや、吐き気、下痢、高熱、喉の痛みを伴う場合などは、感染性の病気の可能性がありますので、こちらも自己判断はせずに、専門医などに相談しましょう」(瀬戸先生)

春にかけて寒暖差のある日々は続きますが、体調にも注意して生活していきましょう。
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