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静電気が最も起きやすい都道府県は?

2022/02/22 10:01 ウェザーニュース

皆さんは、冬によく起こる静電気が、都道府県によって起きやすかったり起きにくかったりすることをご存知でしょうか? これは、冬に湿度が低い地域と比較的高い地域があることによる違いです。

全国的に夏は高温多湿、冬は低温乾燥となりますが、冬の乾燥は地域によって大きな開きがあります。その具体的な違いを見てみましょう。

静電気が多発する「乾燥」地域は?

この冬、ウェザーニュースで静電気に関するアンケート調査を都道府県別に行ったところ、全国平均では「頻繁に感じる」が27%しかなかったのに、群馬県だけ41%と突出して多い結果が出ました。

回答は「頻繁に感じる」「たまに感じる」「まだ感じていない」の3択です。

「まだ感じていない」という答えの割合が多かった県は、秋田県、山形県、新潟県、富山県、鳥取県など、日本海側に集中していました。それ以外の都道府県では、「たまに感じる」という答えの割合が多いという結果でした。

これは、日本海側は冬でも湿度が高いのに比べ、太平洋側は冬になると湿度が低くなることと関係しています。静電気は、湿度が低いと発生しやすいのです。

しかし群馬県は、日本海側と太平洋側のほぼ真ん中。どうして太平洋側よりも乾燥してしまうのでしょうか?

相対湿度の違いで都道府県を比較すると

このグラフは、都道府県の月別の湿度変化を比較したものです。ここで「湿度」と呼ぶのは相対湿度のことで、ある温度の空気中に含まれる水蒸気量の割合を示します。空気中に含むことができる水蒸気は気温によって限界(飽和水蒸気量)が決まっていて、寒いと多く含めません。だから一般的に冬は空気が乾燥しやすいのです。

このグラフで、2月の相対湿度を比較してみましょう。

富山県は74%と高いのに比べて、群馬県(前橋市)は49%と低くなっています。東京都も群馬県なみに低いのは、日本海側で雪や雨を降らせて水分を落とした北西の風が、日本列島の中心にある山々(脊梁山脈/せきりょうさんみゃく)を越えたあと、乾燥した風となって関東平野へ吹き下ろしてくるからです。
空気の乾燥だけでなく、風が強いほど肌の水分量も奪われるので、肌が乾燥しやすくなり、静電気も多発しやすい環境になるのです。

群馬県が乾燥しやすいのは地形のせい?

関東平野の中でも群馬県が特に乾燥しやすい理由をウェザーニュースの気象予報士、山口剛央(たけひさ)が解説します。

「群馬県は、冬の空っ風(からっかぜ)が有名です。これは北側と西側が山に囲まれ、南側と東側に関東平野が広がる県の地形と無縁ではありません。冬になると隣接する新潟県に雪を降らせる湿った風が、県境の山岳地帯を越えるとカラカラに乾いた風になります。この強風が、地域によって赤城(あかぎ)おろし、榛名(はるな)おろし、浅間(あさま)おろしと呼ばれているのです」

肌を荒れさせ静電気も起こす空っ風ですが、繊維、だるまづくり、家具製作、食品など気候風土を利用した群馬県ならではの地場産業に大いに貢献していることも忘れてはなりません。

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