facebook line twitter mail

13・14日の南岸低気圧 前回との特徴の違いや注目点は

2022/02/12 14:06 ウェザーニュース

あす2月13日(日)から三連休明けの14日(月)にかけて、本州の南を低気圧が進むいわゆる「南岸低気圧」の影響で、西日本や東日本で雨や雪が降る予想です。

先月関東に大雪をもたらした南岸低気圧や、一昨日に局地的な影響を残した南岸低気圧との特徴の違いをまとめました。

気圧配置は違えど、過去2回と比較しても状況は類似

表では、東京都心に10cmの積雪をもたらした①先月の大雪(1月6日)、東京都心では積雪が2cmに留まった②一昨日の雪(2月10日)、③今回の予報(2月13・14日)の3パターンについて比較しています。

まずは低気圧の特徴です。①先月と、②一昨日は、スケールの大きな低気圧が沖縄の緯度くらい南に離れた海上を東進していて、その北側に地形の影響で小さな低気圧が発生したパターンでした。③今回はスケールの大きな低気圧そのものが、本州のすぐ南を進むパターンが予想されています。

一見すると違うように見えますが、低気圧の進む早さなどを考慮すると、いずれも降水の強さや継続時間には大きな差がありません。

次に上空の寒気の強さです。これは①先月、②一昨日でほとんど違いがなく、③今回もほとんど同程度と予想されています。

最後に、周囲の気圧配置による注意点があります。②一昨日は北日本付近に高気圧が、③今回は東北地方付近に相対的な高圧部が予想されていて、茨城県沖から大気下層に東風が吹きやすい特徴が見られます。その場合、地上の気温が1℃程度ではあるものの僅かに上昇する可能性があり、注目が必要です。

今回の注目点は低気圧のコース

低気圧の進路と影響の違いの例
③今回のケースでは、低気圧が陸地からみてどのくらい離れて通るかで、影響の大小の目安になりそうです。

(A)
低気圧が陸地から比較的近いところ(北寄り)の進路を通った場合には、低気圧が南から引き込む暖気の影響を受けて、首都圏では雨の降ることが多くなります。

(B)
低気圧が陸地からほどよく離れて通る場合、関東でいうと八丈島の北付近を低気圧が進む場合には、低気圧が北から引き込む冷気の影響で、首都圏では雪の降ることが多くなります。低気圧の発達の程度によっては大雪となります。

(C)
低気圧が陸地からかなり離れて(南寄り)進んだ場合には、低気圧は北から冷気を引き込むものの、発達した雲が陸地に届かずに雪も雨も降らないことが多くなります。

また、進路だけでなく低気圧の発達具合も雨か雪かを変える場合があります。(A)のように雨のパターンであっても、雨の降り方が強まってくると周囲の空気が冷やされ、雪に変わることがあります。

また③今回は降り始めは雨の可能性が高くなっています。雪に変わってくるタイミングにも注目が必要で、早めに雪に変わると積雪が結果的に多くなってしまう可能性があります。

たった1℃の差でも雨か雪かが変わる

「冬型の気圧配置による大雪」などと比較して、南岸低気圧は非常に予報の難しい現象です。たった1℃の気温の差でも雨か雪かが変わるような状況になることが多く、それによる影響にも大きな差が出ると言えます。

②一昨日のケースでも、もし気温があと1℃低く推移していたら、都心で10cm程度の積雪になっていたことも考えられます。③今回も、東京では0cm〜10cm以上と、かなり予測の誤差の幅が大きくなっています。

実際、日本や欧米など世界各国の機関が計算したシミュレーション結果に大きなばらつきがあり、雨か雪かだけでなく、影響を受ける時間帯がいつかなども特定するのが難しい状況です。

わずかな差異で影響が大きく異なる現象ですので、様々な可能性を考えておくことが被害を減らす一助になります。
» 積雪・路面凍結の予想 大雪ピンポイント(会員限定)
» ピンポイント天気予報をアプリで見る