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10日(木)は東京で大雪の予想 1月6日より降る?積もる?

2022/02/08 15:19 ウェザーニュース

10日(木)は南岸低気圧の影響で、関東地方は大雪となる可能性があります。

本州の南の沖合を進む低気圧「南岸低気圧」は、その進路や発達の程度などによって、雪か雨かや降水のエリアが変化し、生活への影響が大きく変わってくるという特徴があります。

そこで記憶に新しい1月6日(木)の関東の大雪と比較して、最新の見解を説明します。(なお、2月8日(火)9時時点の寒気や降水量の予想での解説のため、今後変わる可能性があります。今後も継続的に最新見解をご確認ください。)

同じ東京10cm予想でも違う気象条件

関東地方は1月6日(木)に大雪に見舞われ、東京都心で10cmの積雪を観測しました。今回2月10日(木)も、東京都心では前回同様に10cm前後の積雪を予想していますが、両者には気象条件に違いがあります。

1月6日の大雪では、東京都心は降水量(雪を溶かして雨として換算したもの)で6.5mmと少なかったのに対して、雪は10cm積もりました。南岸低気圧の雪としては降水量比が非常に大きいものでした(通常は1mmで0.5~1cm程度)。

これは寒気が強く、東京都心では雪の降っている間は気温が氷点下で経過したため、雪がさらさらと軽くて積もりやすかったためです。一方、2月10日はプラスの気温が想定され、1月6日ほどの積もりやすさではなさそうです。では、何が積雪を増やすのでしょうか。

降水量が圧倒的に多い予想 さらに積雪増のおそれ

それは降水量が多くなるためです。気温がやや高く水分の多い積もりにくい雪質でも、降水量が多くなると湿った雪がシャーベット状に積もって積雪が増えていきます。軽い雪質だった1月6日に比べて重い雪がどんどん積もり、結果として同じ積雪10cmが予想されます。
10日(木)の予想降水量(欧州と米国のモデルの比較)
また、10日(木)の降水量自体も予測モデルで計算の差があり、例えばECMWF(欧州中期予報センター)では都心付近では10~20mm程度に対して、GFS(米国NOAA)は同じく20~40mm程度と倍の開きがあります。

GFSが予想する降水量になった場合は、予想よりもさらに積雪が増えるおそれがあります。

湿った重い雪 止んだ後も要注意

1月6日の大雪は、雪質が軽く、やんだあとは比較的早く雪が解けました。関東では翌日は凍結によって多数の転倒事故が発生しましたが、日陰の一部を除いて翌日日中にはほぼ解けました。これは、雪質が軽かったことが原因といえます。

一方で、10日(木)に予想される雪は、夜間も降り続くため翌朝の積雪が前回より多くなります。また、湿った重い雪で、雪が止んだ後もなかなか解けないと考えられます。3連休も道路の積雪や凍結に十分な注意が必要となりそうです。

ウェザーニュースの予報センターでは、世界各国のシミュレーション結果や観測機データはもちろんのこと、ウェザーニュースのユーザーから投稿される写真やコメントも参考にして、気温や雪・雨の変化を見ながら予報を随時改善しています。
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参考資料など

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
ならみさん