なぜ「如月」と呼ぶのか?
「よく聞かれる“きさらぎ”の語源説は、寒いので、更に衣を重ねて着るから“衣更着(きぬさらぎ)”になったというもの。
ですが旧暦の2月は、今の暦よりも1ヵ月ほどあとになります。つまり、3月頃。次第に暖かく、春らしくなる時期ですから、“衣更着”説は不自然です。
古くは“二月”と書いて“きさらぎ”と読ませていました。のちに“衣更着”という漢字を当てるようになって、このような語源説が生まれたのでしょう」(山下さん)
その他にもいくつかの説があると、山下さんは話します。
「有力な語源説としては、陽気が更にやってくるので“気更来(きさらぎ)”という説や、草木の芽がふくらみ出すという意味の“草木張月(くさきはりづき)”が変化したという説があります」(山下さん)
ですが旧暦の2月は、今の暦よりも1ヵ月ほどあとになります。つまり、3月頃。次第に暖かく、春らしくなる時期ですから、“衣更着”説は不自然です。
古くは“二月”と書いて“きさらぎ”と読ませていました。のちに“衣更着”という漢字を当てるようになって、このような語源説が生まれたのでしょう」(山下さん)
その他にもいくつかの説があると、山下さんは話します。
「有力な語源説としては、陽気が更にやってくるので“気更来(きさらぎ)”という説や、草木の芽がふくらみ出すという意味の“草木張月(くさきはりづき)”が変化したという説があります」(山下さん)
その他の2月の呼び名は?
如月以外にも、旧暦の時代は2月の異称がたくさん使われていたそうです。その中からいくつかを選んで、山下さんに解説していただきました。
「如月」と書いて「きさらぎ」と読むようになったのは、室町時代頃のようです。「如月」を「じょげつ」と読んでも、2月の異称になります。
中国最古の字書『爾雅(じが)』に「二月を如となす」とあることから生まれました。
「如となす」は、万物が神意に従うように現れ出ること。自然がいきいきと動き出す時期といえます。
木々が芽吹く時期ということで、旧暦2月は「木の芽月(このめづき)」とも呼ばれました。
この時期に吹く風は「木の芽風」、降る雨は「木の芽雨」、晴れれば「木の芽晴れ」といいます。木の芽を通して、天気を見ていたようですね。
小さな草が生えてくることから、「小草生月(おぐさおいづき)」という異称もあります。
降り納めの雪のことを「雪の果て」ともいいます。
「雪の果ては涅槃(ねはん)」ということわざがあって、釈迦(しゃか)が亡くなった2月15日に行われる涅槃会(ねはんえ)の頃が、シーズン最後の雪になるとされてきました。
つまり、2月は雪がなくなる月。そこから「雪消月(ゆきぎえづき・ゆきげづき)」とも呼ばれます。
「恵風(けいふう)」は、もともと、恵みの風という意味です。
旧暦2月は、草木の生長をうながし、次々と花を咲かせていく春風が吹く頃。そこから、2月の異称としても使われるようになりました。
春風は、私たちにとっても、ありがたく、心地よい風です。そんな風への感謝の気持ちがこめられているようです。
「花朝(かちょう)」は、花が咲いた朝という意味でも使われますが、2月の異称にもなっています。
「花朝月夕(かちょうげっせき)」というと、一年の中で、春と秋の最も楽しむべき時期をさす言葉です。
また、美しい景色という意味の「美景(びけい)」も2月の異称。
昔の人は、この時期の眺めをこよなく愛したのでしょう。
梅は、「春告草(はるつげぐさ)」という異名も持っています。そんな梅の花が盛りを迎えるのが、旧暦2月頃です。
「梅見月(うめみづき)」をはじめ、「梅の花見月(うめのはなみづき)」「梅津月(うめつづき)」「梅津早月(うめつさづき)」など、梅にちなむ月名も多く見られます。
「令月」は、何をするにもよい月、めでたい月という意味です。
『万葉集』にある「初春の令月にして気淑(よ)く風和らぎ~」という一節から、「令和」の元号がつけられたことは、記憶に新しいことと思います。
旧暦2月の異称は、春の喜びに満ちているようです。現代の2月は、気温こそ低いものの、春の兆しが見え始める頃でもあります。
令和の令月が、よい月になるといいですね。
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【如月】(じょげつ)
「如月」と書いて「きさらぎ」と読むようになったのは、室町時代頃のようです。「如月」を「じょげつ」と読んでも、2月の異称になります。
中国最古の字書『爾雅(じが)』に「二月を如となす」とあることから生まれました。
「如となす」は、万物が神意に従うように現れ出ること。自然がいきいきと動き出す時期といえます。
【木の芽月】(このめづき)
木々が芽吹く時期ということで、旧暦2月は「木の芽月(このめづき)」とも呼ばれました。
この時期に吹く風は「木の芽風」、降る雨は「木の芽雨」、晴れれば「木の芽晴れ」といいます。木の芽を通して、天気を見ていたようですね。
小さな草が生えてくることから、「小草生月(おぐさおいづき)」という異称もあります。
【雪消月】(ゆきぎえづき・ゆきげづき)
降り納めの雪のことを「雪の果て」ともいいます。
「雪の果ては涅槃(ねはん)」ということわざがあって、釈迦(しゃか)が亡くなった2月15日に行われる涅槃会(ねはんえ)の頃が、シーズン最後の雪になるとされてきました。
つまり、2月は雪がなくなる月。そこから「雪消月(ゆきぎえづき・ゆきげづき)」とも呼ばれます。
【恵風】(けいふう)
「恵風(けいふう)」は、もともと、恵みの風という意味です。
旧暦2月は、草木の生長をうながし、次々と花を咲かせていく春風が吹く頃。そこから、2月の異称としても使われるようになりました。
春風は、私たちにとっても、ありがたく、心地よい風です。そんな風への感謝の気持ちがこめられているようです。
【花朝】(かちょう)
「花朝(かちょう)」は、花が咲いた朝という意味でも使われますが、2月の異称にもなっています。
「花朝月夕(かちょうげっせき)」というと、一年の中で、春と秋の最も楽しむべき時期をさす言葉です。
また、美しい景色という意味の「美景(びけい)」も2月の異称。
昔の人は、この時期の眺めをこよなく愛したのでしょう。
【梅見月】(うめみづき)
梅は、「春告草(はるつげぐさ)」という異名も持っています。そんな梅の花が盛りを迎えるのが、旧暦2月頃です。
「梅見月(うめみづき)」をはじめ、「梅の花見月(うめのはなみづき)」「梅津月(うめつづき)」「梅津早月(うめつさづき)」など、梅にちなむ月名も多く見られます。
【令月】(れいげつ)
「令月」は、何をするにもよい月、めでたい月という意味です。
『万葉集』にある「初春の令月にして気淑(よ)く風和らぎ~」という一節から、「令和」の元号がつけられたことは、記憶に新しいことと思います。
旧暦2月の異称は、春の喜びに満ちているようです。現代の2月は、気温こそ低いものの、春の兆しが見え始める頃でもあります。
令和の令月が、よい月になるといいですね。
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