大流行の危惧も、いまのところ流行のきざしなし
オミクロン株とみられる新型コロナウイルス感染の爆発的拡大とは裏腹に、インフルエンザの感染者数は今シーズンも極めて少ない状況のようです。
「昨年秋の段階では、昨シーズンにインフルエンザ感染者が少なかったことから『社会全体の集団免疫が形成されていない』(日本感染症学会の見解)として、今シーズンは大流行への危惧もありました。
例年、国内のインフルエンザ感染者数は、推定約1000万人といわれています。ところが昨シーズンは、厚生労働省の推計による医療機関の受診者数が約1万4000人にとどまり、現行の調査が始まった1999年以来初めて『流行なし』とされました」(吉田院長)
「昨年秋の段階では、昨シーズンにインフルエンザ感染者が少なかったことから『社会全体の集団免疫が形成されていない』(日本感染症学会の見解)として、今シーズンは大流行への危惧もありました。
例年、国内のインフルエンザ感染者数は、推定約1000万人といわれています。ところが昨シーズンは、厚生労働省の推計による医療機関の受診者数が約1万4000人にとどまり、現行の調査が始まった1999年以来初めて『流行なし』とされました」(吉田院長)
今シーズンについても、厚生労働省が1月21日に発表した「インフルエンザ定点当たり報告数」によると、2022年第2週(1月10日~1月16日)のインフルエンザ指定医療機関からの報告数は「54」でした。
第1週(1月3日~1月9日)の「50」とあまり変化はありません。昨シーズン同時期の総数「65」と同じく、一昨年同期の「90,811」や2018/19シーズンの「190,527」などと比べて極端に少ない水準にあります。
「学級閉鎖の報告も今のところほとんどなく、インフルエンザの流行は、『今シーズンも、いまのところ発生のきざしは見られない』といえる状況です」(吉田院長)
第1週(1月3日~1月9日)の「50」とあまり変化はありません。昨シーズン同時期の総数「65」と同じく、一昨年同期の「90,811」や2018/19シーズンの「190,527」などと比べて極端に少ない水準にあります。
「学級閉鎖の報告も今のところほとんどなく、インフルエンザの流行は、『今シーズンも、いまのところ発生のきざしは見られない』といえる状況です」(吉田院長)
昨シーズンと同じくコロナ感染症対策の徹底が奏功
インフルエンザの感染者数が今シーズンも少ない背景には、引き続き感染症対策が徹底されていることがあるようです。
「インフルエンザウイルスも新型コロナウイルスと同様に、せき、くしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染で広がります。コロナ対策で継続されてきたマスクの着用や手洗い、外出自粛などの徹底や、海外からの渡航制限が続いていることも大きな要因といえるでしょう」(吉田院長)
とはいえ、例年インフルエンザ流行は3月頃まで続きます。
「これまで日本では1月下旬から2月上旬にピークを迎えるのが一般的でした。むしろこれからが安心できない時期だと考えてください。
国立感染研究所の資料によると、世界のインフルエンザレベルは、全体的には低調であるものの、特に温暖地域で増加がみられ、国によってはパンデミック前の水準まで増加しているようです。
日本でも、流行のきざしが見えないからといって、今後も流行の可能性がないわけではありません。
季節外れの流行もありえますし、社会全体の集団免疫が形成されず、免疫が弱体化している懸念もけっして拭えたわけではありません。また、初めて感染した乳幼児が重症化しやすいという傾向も見られます。
流行していない感染症ほど、早めの予防が大切です。これまで同様に感染症防止対策としてマスクの着用と手洗い励行、人ごみや繁華街への外出を控える、適度の湿度保持(50~60%)、十分な休養とバランスの取れた栄養摂取などの継続は必須です」(吉田院長)
今シーズンもインフルエンザ流行のきざしが見られないとはいえ、寒く乾燥する冬場が感染症にかかりやすい時期であることに変わりはありません。
新型コロナウイルス・オミクロン株に感染しないためにも、日頃の予防対策はきちんと続けていくよう心がけましょう。
» 乾燥に注意!詳しい予報をチェック
» その他のニュースをアプリで見る
「インフルエンザウイルスも新型コロナウイルスと同様に、せき、くしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染で広がります。コロナ対策で継続されてきたマスクの着用や手洗い、外出自粛などの徹底や、海外からの渡航制限が続いていることも大きな要因といえるでしょう」(吉田院長)
とはいえ、例年インフルエンザ流行は3月頃まで続きます。
「これまで日本では1月下旬から2月上旬にピークを迎えるのが一般的でした。むしろこれからが安心できない時期だと考えてください。
国立感染研究所の資料によると、世界のインフルエンザレベルは、全体的には低調であるものの、特に温暖地域で増加がみられ、国によってはパンデミック前の水準まで増加しているようです。
日本でも、流行のきざしが見えないからといって、今後も流行の可能性がないわけではありません。
季節外れの流行もありえますし、社会全体の集団免疫が形成されず、免疫が弱体化している懸念もけっして拭えたわけではありません。また、初めて感染した乳幼児が重症化しやすいという傾向も見られます。
流行していない感染症ほど、早めの予防が大切です。これまで同様に感染症防止対策としてマスクの着用と手洗い励行、人ごみや繁華街への外出を控える、適度の湿度保持(50~60%)、十分な休養とバランスの取れた栄養摂取などの継続は必須です」(吉田院長)
今シーズンもインフルエンザ流行のきざしが見られないとはいえ、寒く乾燥する冬場が感染症にかかりやすい時期であることに変わりはありません。
新型コロナウイルス・オミクロン株に感染しないためにも、日頃の予防対策はきちんと続けていくよう心がけましょう。
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参考資料など
国立感染症研究所「第68回(令和4年1月20日)新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」