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15日の気圧変動、発生源はトンガの火山と確認 細密観測網ソラテナで解析

2022/01/24 14:35 ウェザーニュース

1月15日(土)から17日(月)にかけて、ウェザーニュースの独自観測機「ソラテナ」で、一時的な気圧変化が全国で観測される現象が3回確認されました。

この気圧変化を詳細に分析したところ、波動の発生源はトンガの火山フンガトンガ・フンガハアパイであると確認されました。

衝撃波は少なくとも地球を1周半した模様

こちらはウェザーニュースが独自に全国約3000箇所に設置している観測機網「ソラテナ」による気圧変化を時系列で並べたアニメーションです。

5分間で0.25hPa以上の気圧の上昇または下降を観測した観測機の場所を着色しています。

動画:① 15日(土)20時00分~21時30分

動画:② 16日(日)16時00分~18時30分

動画:③ 17日(月)8時00分~10時30分
※ページ内で動画が再生が出来ない場合は、ウェザーニュースのアプリやWebサイトの「お天気ニュースCh.」からご覧ください。

3回分を見比べると、①15日(土)21時前後の気圧変化が最も顕著で、同心円状に進む気圧変化の波が複数みられます。この時は15分間に2hPa程度の大きな気圧変化が観測されていました。

次いで③17日(月)9時前後の気圧変化が明瞭で、②16日(日)17時前後の気圧変化はかなり不明瞭でした。

1回目の気圧変化 速度は990〜1100km/h

縦軸にフンガトンガ・フンガハアパイからの距離、横軸に時刻をとった散布図
こちらは①15日(土)21時前後の気圧変化について、詳細に分析した図です。2分間気圧差が0.6hPa以上の地点を抽出し、その地点からフンガトンガ・フンガハアパイまでの距離を縦軸、気圧変化が観測された時刻を横軸にとり、気圧の上昇をオレンジ色、下降を青色でプロットしています。

波動の速度が一定であった場合、距離と経過時間は比例関係になるため、発生源の仮定が正しければ直線状になり、方位や距離の仮定が間違っていれば非線形になるはずです。

つまり、波動の発生地点の仮定は正しく、フンガトンガ・フンガハアパイから来た波動であることはほぼ間違いないと言えます。

また、この直線の傾き(速度)を調べたところ、おおむね時速990〜1100km程度と計算されました。衝撃波の経路や速度変化など詳細はわかっていませんが、単純計算では噴火時刻との対応もほぼ一致します。

またこの速度の仮定や地球の円周を元に計算すると、②16日(日)17時前後の気圧変化は地球の反対回りで到達した衝撃波、③17日(月)9時前後の気圧変化は2周目の衝撃波によって生じたと考えると時刻が合致します。

気象衛星でも空気の密度変化を確認

アニメーション:ひまわり8号 水蒸気画像をウェザーニュース加工
※ページ内でアニメーションが再生が出来ない場合は、ウェザーニュースのアプリやWebサイトの「お天気ニュースCh.」からご覧ください。
気象衛星画像でも、噴火に伴うとみられる波動の様子が見つかっています。

これは水蒸気画像を特殊処理したアニメーションです。南太平洋を起点に同心円状に広がる波紋のような影がみられますが、これは衝撃波による空気の密度変化により大気中水蒸気量に変化が生じていたためとみられます。

日本への到達時刻をソラテナの気圧変化と比較するとよく対応しているため、この波動もトンガの火山噴火によるものであると考えられます。

津波もこの衝撃波により発生か

空振で津波の発生するメカニズム
東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授によると、トンガで発生した大規模な火山の噴火に伴う衝撃波「空振」が、日本を含む環太平洋各地での津波を発生させ、津波を大きくした可能性があるとのことです。

実際に今回観測されている津波は、海中を伝わる“通常の津波”にはあてはまらない特徴がある一方、ソラテナの気圧変化の観測とは対応関係が良好です。
>> 関連記事 火山噴火による空振で津波が発生か

気象観測機「ソラテナ」の気圧データを研究者向けに無償提供

ウェザーニュースを運営する株式会社ウェザーニューズでは、現象解明や防災につながる研究にご活用いただくため、気象観測機「ソラテナ」による今回の気圧の観測データを無償で提供しています。詳細は株式会社ウェザーニューズのニュースリリースをご確認ください。
https://jp.weathernews.com/news/38708/