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スタッドレスタイヤもダメ!? 大雪時の「チェーン規制」の条件

2022/01/22 05:47 ウェザーニュース

大雪時の道路交通の確保を目的に、「チェーン規制」が2018年より施行されました。大雪が降ったときは全国13区間でチェーン規制が行われ、チェーン装着車のみが通行可能で、未装着車は通れません。

ウェザーニュースが車の所有者を対象に行ったアンケート調査では、チェーンを持っていない人の割合が全体で76%でした。
さらに地域別で詳しく見ると、北海道や東北、北陸などの雪が多い地域ほど、所有率が低いことが分かります。

雪国では4WD車やスタッドレスタイヤ装着車が多いことが影響しているのかもしれません。しかし、こうした車もチェーン規制の対象になるのです。

規制化から4度目のシーズンとなりますが、どんなとき、どこで実施されるのかなどを詳しく確認しておきましょう。

通行止め時間を短くすることが目的

規制区間においては、大雪のピーク時に道路を通行止めにして集中除雪をします。

チェーン規制と聞くと、チェーン未装着車は通さないというマイナスイメージが先行しがちですが、大規模な立ち往生を防止し、従来なら全面通行止めにしていた時間帯でもチェーンを装着すれば通行を可能にするのが目的なのです。

上の「チェーン規制の運用イメージ」の図を参照してください。つまり、集中除雪の実施前後にはチェーン装着車であれば通行可能となり、総体的には全面通行止めの時間は短くなります。

チェーン規制は、いつ実施するのか?

“大雪特別警報”や“大雪に対する緊急発表”が行われるような異例の降雪時に、実施されます。大雪が予想される2~3日前より、通行止め実施の可能性がある旨の事前広報を国土交通省が行い、地域住民や道路利用者に周知します。

規制化されて今年度で4シーズン目を迎えますが、国土交通省によれば“大雪に対する緊急発表”は何回か出されているものの、これまでチェーン規制は行われずに済んでいます。

しかし、気象状況次第でいつ発令されるかわかりませんので、チェーン規制について正しく理解しておきましょう。

規制箇所は全国で13区間

チェーン規制区間は2018年の交付・施行時と変更はありません。全国13区間(直轄国道6区間、高速道路7区間)で実施されます。

規制区間は、過去に雪による立ち往生が発生した道路や勾配の大きい峠などを中心に、タイヤチェーン着脱場やチェーン規制解除まで待機可能な場所となっています。

チェーン規制時には、一般道および高速道路において、規制区間の手前でタイヤチェーン装着状況の確認が行われます。

なお、この全国13区間におけるチェーン規制は、高速道路における冬用タイヤ規制とは別物ですので、混同しないでください。

スタッドレスタイヤ装着車も4WD車もダメ

2017年に全国各地で大雪の影響より、スタッドレスタイヤだけでは対処できず多くのクルマが立ち往生するという問題が多発しました。

そのため、チェーン規制中は、スタッドレスタイヤ装着車でも、タイヤチェーンをしていない車は通行することはできません。また4WD車両も規制対象です。

大雪時の峠などでは、4WD車両は重量が大きいため、下り坂で急ブレーキをかけた時に止まるまでの距離が長くなることから、チェーン規制中はタイヤチェーンを着けていないと通ることはできません。

タイヤチェーンは駆動輪へ装着する

小型車の場合、タイヤチェーンは駆動輪への装着が基本です。FF車なら前輪に、FR車ならば後輪に装着します。4WD車の場合はタイヤ4本すべてに着ける必要はありません。前輪か後輪かどちらかに装着してください。

ではどのようなタイヤチェーンなら良いでしょうか?

ゴム製、金属製、樹脂製、布製を問わず、自動車用品店などで販売されている通常のタイヤチェーンはすべて対応できますが、薬剤を吹き付けるスプレータイプのものはタイヤチェーンとして認可されていないため、通行できません。


降雪が予想されるときは不要不急の外出は控えるのが第一ですが、どうしても遠方へ車で出かけなければならないときは、SNSやハイウェイラジオなどで目的地までの気象や路面状況などの情報をこまめに確認し、チェーン規制区間なども頭に入れておきましょう。

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参考資料など

国土交通省「チェーン規制について」