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阪神・淡路大震災から27年 大地震発生時にするべき10のポイント

2022/01/17 05:08 ウェザーニュース

今日は1月17日です。27年前(平成7年)のこの日、阪神・淡路大震災が発生しました。

震源に近い神戸市の市街地を中心に6,434人もの犠牲者を出した阪神・淡路大震災で、私たちは都市型地震の怖さを知ることとなりました。今、私たちはその教訓をしっかり身につけているでしょうか?

再びあのような都市型地震に襲われたとき、何をいちばん優先しなければいけないのか。もう一度考えてみましょう。

阪神・淡路大震災の教訓

第二次世界大戦後の日本は、1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生するまで、これほど大きな震災に遭わずに過ごしてきました。

過去の教訓としては、大正12年に起こった関東大震災の言い伝えが残っていた程度です。焼死が多かった関東大震災の教えは、「地震だ! 火を消せ」というものでした。

東京消防庁によると、「成城消防署が2011年から2013年に実施した、管内在住在勤の方を対象にしたアンケート結果をみると、地震の揺れを感じたり、地震速報を聞いたらまず、『火を消せ』と考えられている方が、特に40代以上の方に多く見られます」。

当然、地震時に「火元の確認」は大切です。しかし、当時と比べて都市部の街区状況や建物構造は大きく変化しています。たとえば、大きな揺れ(震度5相当以上)が発生したら都市ガスは停まりますし、石油ストーブは転倒時の自動消火装置がついたものが主流です。

阪神・淡路大震災で亡くなられた方の大部分は、圧死でした。そこから、「家具類の転倒・落下・移動防止が、人命被害拡大を防ぐ点において最重要である」という新たな教訓が生まれました。

東京消防庁は「大きな地震の揺れを感じたり、緊急地震速報を聞いたら、テーブルなどの下に入り、『まず、身の安全』を図るということを、常に意識するようにして下さい」と注意を促します。

命を守るために重要なことは?

みなさんは、自宅やオフィスで地震に遭遇したときの備えとして、家具類の転倒・落下・移動防止対策を行っていますか? また、自宅やオフィス内に一時的に避難できる「安全スペース」を設けてありますか?

まだであれば、阪神・淡路大震災の教訓を無駄にしないため、「今」すぐ行ってください。

圧死を防ぐ対策を行ったら、次に地震時の行動を頭に入れておかなければなりません。東京消防庁では、大きな地震の揺れを感じたり、緊急地震速報を聞いたりした際の行動を「地震その時 10のポイント」にまとめて啓発活動を行っています。

以下に紹介するので、いざというとき迷わず行動できるよう、しっかり覚えておきましょう。

地震時の行動、10のポイント

地震時の行動10のポイント

<地震時の行動>

(1)まずは身の安全を最優先
地震が起こったときにまず行うべきことは、自分の身の安全を守ることです。丈夫なテーブルの下や、物が「落ちてこない」「倒れてこない」「移動してこない」空間に身を寄せ、揺れがおさまるまで様子を見てください。

高層階(概ね10階以上)では、揺れが数分間続くことがあります。大きくゆっくりとした揺れにより、家具類が転倒・落下する危険に加え、大きく移動することがあるので注意が必要です。

<地震直後の行動>

(2)落ち着いて火の元確認、初期消火
火を使っているとき地震が起こったら、火の始末をするのは揺れがおさまった後です。出火したときは、落ちついて消火してください。

(3)外に飛びたしたりせず落ち着いて行動
屋内では、転倒・落下した家具類やガラスの破片に注意してください。瓦、窓ガラス、看板などが落ちてくるので、外に飛び出してはいけません。

(4)窓や戸を開け出口を確保
揺れがおさまったときに、避難ができるよう出口を確保してください。

(5)門や塀には近寄らない
屋外で地震に遭ったら、ブロック塀などには近寄らないでください。

<地震後の行動>

(6)火災や津波に注意し、確かな避難
地域に大規模な火災の危険が迫り、身の危険を感じたら、一時集合場所や避難所に避難してください。

沿岸部では、大きな揺れを感じたり津波警報が出されたりしたら、高台などの安全な場所に素早く避難してください。

(7)正しい情報で確かな行動
ラジオ、テレビ、消防署、行政などから正しい情報を得てください。

(8)自宅の安全と近隣の安否を確認
わが家の安全を確認後、近隣の安否を確認してください。

(9)協力しあって救出、救護
倒壊家屋や転倒家具などの下敷きになった人を、近隣で協力し合って救出・救護してください。

(10)避難の前に電気・ガスの安全確認
避難が必要なときには、ブレーカーを切り、ガスの元栓を閉めて避難してください。

以上が大地震発生時にするべき10のポイントです。「まずは身の安全を守り」、「次に安全な避難先を確保し」、「その後近隣と協力して被災した人の救助に当たる」という順番を理解していただけたでしょうか。

避難時の行動と避難後の待ち合わせ場所については、日頃から家族や同僚との確認が必要です。27年前の阪神・淡路大震災を教訓に、次の震災への備えを万全なものにしておきましょう。

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参考資料など

東京消防庁「地震 その時10のポイント」、同「特集・都市型震災を考える」