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「南岸低気圧」とは 東京など太平洋側で雪が降ることも

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2022/01/05 12:29 ウェザーニュース

12月から2月にかけては、西高東低の冬型の気圧配置となって、日本海側で雪が降り、太平洋側では晴れる日が多くなります。

一方、太平洋側で雪の降ることが多いのが「南岸低気圧」型と呼ばれる気圧配置です。南岸低気圧とは、本州の南の沖合を進む低気圧のことです。

低気圧の進路や発達の程度によって、雪か雨かや降水のエリアが変わるため、「予想外」が起こりやすいパターンです。
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低気圧のコース次第で影響が大幅に変わる

低気圧が陸地からみてどのくらい離れて通るかで、影響が大きく変わります。関西や四国でも同様ですが、ここでは関東の例で説明します。

(A)
低気圧が陸地から比較的近いところ(北寄り)の進路を通った場合には、低気圧が南から引き込む暖気の影響を受けて、首都圏では雨の降ることが多くなります。

(B)
低気圧が陸地からほどよく離れて通る場合、関東でいうと八丈島の北付近を低気圧が進む場合には、低気圧が北から引き込む冷気の影響で、首都圏では雪の降ることが多くなります。低気圧の発達の程度によっては大雪となります。

(C)
低気圧が陸地からかなり離れて(南寄り)進んだ場合には、低気圧は北から冷気を引き込むものの、発達した雲が陸地に届かずに雪も雨も降らないことが多くなります。

また、進路だけでなく低気圧の発達具合も雨か雪かを変える場合があります。(A)のように雨のパターンであっても、雨の降り方が強まってくると周囲の空気が冷やされ、雪に変わることがあります。

雪と雨の境目は「気温」と「湿度」でわかる

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「降水相」の判別グラフ
上空から落ちてくる雪の粒が、地上に到達する前にとけると「雨」、とけかけで降ってくると「みぞれ」、そのまま降ってくると「雪」になります。そのため、地上気温は0℃に近いときほど雪になることが多くなります。

また、湿度が低いときには雪が雨に変わるときに一部が蒸発して、周囲の温度を下げる働きをします。そのため、地上気温が6℃程度であっても、雪のままとけずに落ちてくることもあります。

このあと雨になるか雪になるかを知りたいときには、気温だけでなく湿度にも注目してみてください。
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