1. 年明けから北陸などで大雪
2021年は強い冬型の気圧配置でスタートしました。東京都心で元日から氷点下の冷え込みになるなど、三が日は大雪と厳しい寒さに見舞われています。寒波は1月上旬いっぱい続き、富山市で積雪121cmを観測。新潟県上越市・高田では日降雪量103cmを記録し、豪雪となった1986年以来、35年ぶりの記録となりました。
上空5000m付近で-39℃以下という非常に強い寒気が北陸上空まで南下し、冬型の気圧配置が長期間に渡って継続。また、日本海の海面水温が平年より高かった影響もあり、活発な雪雲が次々に北陸地方を襲いました。
上空5000m付近で-39℃以下という非常に強い寒気が北陸上空まで南下し、冬型の気圧配置が長期間に渡って継続。また、日本海の海面水温が平年より高かった影響もあり、活発な雪雲が次々に北陸地方を襲いました。
2. ちぐはぐな季節の移り変わり
厳しい寒さで始まった2021年ですが、極端な季節変化となっています。厳しい冬から春への移り変わりは急で、桜の開花が記録的に早くなりました。
春に負けじと梅雨の到来も早く、西日本では5月中旬に軒並み梅雨入りしています。今年の梅雨は中休みを挟みながらダラダラと続き、梅雨明けは平年に近い7月中旬でした。その後は盛夏が到来したものの、お盆休み近くなって夏の高気圧が急速に勢力を弱め、大雨や季節外れの肌寒さとなっています。
8月後半になって夏の暑さが盛り返し、秋の訪れは遅れ気味に。10月から11月にかけても気温の高い傾向が続いて、秋が本格化したと思った頃にはもう冬の足音が聞こえ始めました。
ウェザーニュースアプリ利用者に二十四節気のタイミングで質問している季節感の回答から作成したグラフでは、春と夏が短く、梅雨と秋が長い傾向が見られました。また、季節の移り変わりが急峻なところも特徴的です。
春に負けじと梅雨の到来も早く、西日本では5月中旬に軒並み梅雨入りしています。今年の梅雨は中休みを挟みながらダラダラと続き、梅雨明けは平年に近い7月中旬でした。その後は盛夏が到来したものの、お盆休み近くなって夏の高気圧が急速に勢力を弱め、大雨や季節外れの肌寒さとなっています。
8月後半になって夏の暑さが盛り返し、秋の訪れは遅れ気味に。10月から11月にかけても気温の高い傾向が続いて、秋が本格化したと思った頃にはもう冬の足音が聞こえ始めました。
ウェザーニュースアプリ利用者に二十四節気のタイミングで質問している季節感の回答から作成したグラフでは、春と夏が短く、梅雨と秋が長い傾向が見られました。また、季節の移り変わりが急峻なところも特徴的です。
3. 北海道で過去にない猛暑
梅雨が明けた後の7月下旬から、北海道では記録的な高温となりました。夏の高気圧が北に偏って張り出した影響で晴れて暑い日が続き、旭川では8月7日の37.9℃を筆頭に猛暑日は10日を数えました。札幌でも連続真夏日の過去最長を更新しています。
この記録的な高温の影響はその後拡大しています。特に目立ったのは夏の暑さによって海水温が非常に高くなったことによる、赤潮の発生など漁業への影響です。
この記録的な高温の影響はその後拡大しています。特に目立ったのは夏の暑さによって海水温が非常に高くなったことによる、赤潮の発生など漁業への影響です。
4. 北半球で記録的高温 山火事の発生も
偏西風が大きく蛇行したことで高緯度地域まで暖気が流入し、北半球では記録的な高温に見舞われました。カナダでは49.6℃の国内最高気温が観測されています。また、7月下旬には上空の高い所まで高気圧に覆われたヨーロッパで顕著な高温となり、スペインやトルコなどで45℃を上回りました。
こうした高温傾向が続いたことで山林火災も相次ぎ、特にアメリカ・カリフォルニア州で発生した山火事はその被害が史上最悪とも言われています。
こうした高温傾向が続いたことで山林火災も相次ぎ、特にアメリカ・カリフォルニア州で発生した山火事はその被害が史上最悪とも言われています。
5. 梅雨やお盆休みに大雨被害
梅雨の期間の6月末~7月始めは関東や東海で大雨になりました。熱海市では大規模な土石流に伴い、大きな被害に見舞われました。盛り土が原因とはされているものの、雨量自体も多く、24時間で500mmを超えたところもあります。梅雨前線を挟んで温度差が大きくなったことが雨雲の発達につながりました。
また、梅雨が明けた後のお盆休みの頃にも前線が明瞭化し、西日本を中心に大雨に見舞われています。総雨量が1000mmを超えたところがあり、特別警報も発表されました。
また、梅雨が明けた後のお盆休みの頃にも前線が明瞭化し、西日本を中心に大雨に見舞われています。総雨量が1000mmを超えたところがあり、特別警報も発表されました。
6. 宮城や福岡に台風初上陸
日本への台風上陸はほぼ平年並みの3つとなりました。台風8号は南東の海上から日本に接近し、7月28日に宮城県石巻市に上陸しました。また、台風14号は東シナ海を北上した後、ほとんど停滞し、ゆっくりと東に進んで9月17日に福岡県福津市付近に上陸しました。1951年の統計開始以来、宮城県や福岡県に上陸した台風はいずれも初めてです。
2つの台風が上陸したタイミングでは、台風を動かす上空の風が弱かったこともあって、迷走気味の進路になったとみられます。
2つの台風が上陸したタイミングでは、台風を動かす上空の風が弱かったこともあって、迷走気味の進路になったとみられます。
7. 東京23区で10年ぶりの震度5強
10月7日の夜遅く、首都圏が強い揺れに見舞われました。千葉県北西部を震源とするマグニチュード5.9、深さ75kmと推定される地震が発生し、東京都足立区などで最大震度5強を観測しています。東京23区内で震度5強以上を観測するのは、2011年3月11日の東日本大震災を引き起こした超巨大地震以来のことです。
地震のメカニズムは東西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。今回の震源付近は関東平野でも非常に地震が多く発生している"地震の巣"と言っても良いような地域です。2005年7月23日にはほぼ同じ位置で、マグニチュード6.0の地震が発生しています。
地震のメカニズムは東西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。今回の震源付近は関東平野でも非常に地震が多く発生している"地震の巣"と言っても良いような地域です。2005年7月23日にはほぼ同じ位置で、マグニチュード6.0の地震が発生しています。
8. 海底火山が噴火 軽石被害も
8月13日に小笠原諸島のさらに南の南硫黄島近くにある、福徳岡ノ場の海底火山が噴火。上空16000mほどまで噴煙を噴き上げ、馬蹄形の新島も出現しました。大きな噴火は1986年以来です。
噴火の際に大量に噴出した軽石が海流に乗って沖縄や日本列島の各地に漂着し、船舶の運行などに影響を及ぼしています。
12月下旬になって新島は大部分が海蝕によって海中に沈み、年明け早々にも消滅するとみられます。一方で軽石は依然として沖合に漂流しており、今後の動きが注目されます。
噴火の際に大量に噴出した軽石が海流に乗って沖縄や日本列島の各地に漂着し、船舶の運行などに影響を及ぼしています。
12月下旬になって新島は大部分が海蝕によって海中に沈み、年明け早々にも消滅するとみられます。一方で軽石は依然として沖合に漂流しており、今後の動きが注目されます。
9. 富士山初冠雪 2度の発表に
2021年は富士山の初冠雪が2度発表になりました。富士山では8月4日の日平均気温9.2℃が今年最も高かったため、9月7日に山頂付近に雪を確認した時点で気象台は初冠雪を発表しました。
ただ、9月20日は東海地方の上空に夏に近いような季節外れの暖かな空気が流れ込んで、富士山頂も気温が上昇。日平均気温が10.3℃と今年最高を更新しました。9月後半に最高を更新するケースは少なく、異例の自体になっています。
最終的には最初の発表から約半月後の9月26日に初冠雪となりました。
ただ、9月20日は東海地方の上空に夏に近いような季節外れの暖かな空気が流れ込んで、富士山頂も気温が上昇。日平均気温が10.3℃と今年最高を更新しました。9月後半に最高を更新するケースは少なく、異例の自体になっています。
最終的には最初の発表から約半月後の9月26日に初冠雪となりました。
10. アメリカで大規模な竜巻被害
現地時間の12月10日~11日にかけて、アメリカのアーカンソー州、ミズーリ州、イリノイ州、テネシー州、ケンタッキー州の5つの州にまたがって多数の大規模な竜巻が発生しました。12月20日現在での死者数89名、確認された竜巻発生数62個は、アメリカの12月としては史上最悪の被害でした。
この時期として記録的な暖かさとなっていたところに、上空5500m付近で氷点下30℃以下の強い寒気を伴う気圧の谷が通過。低気圧に向かい暖かく湿った空気が流入して大気の状態が非常に不安定になったことに加え、ジェット気流と下層の南風によってスーパーセルの形成に適した環境が形成されたとみられます。
竜巻の親となるスーパーセルの発生環境が長時間維持したことにより、アーカンソー州東部からケンタッキー州のおよそ400km以上にわたり、ほぼ単一と見られる長寿命のスーパーセル積乱雲がレーダーで観測されました。竜巻の強さを表す指標で2番目に強い「EF4」の竜巻2個を含む多数の竜巻被害が発生しました。
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この時期として記録的な暖かさとなっていたところに、上空5500m付近で氷点下30℃以下の強い寒気を伴う気圧の谷が通過。低気圧に向かい暖かく湿った空気が流入して大気の状態が非常に不安定になったことに加え、ジェット気流と下層の南風によってスーパーセルの形成に適した環境が形成されたとみられます。
竜巻の親となるスーパーセルの発生環境が長時間維持したことにより、アーカンソー州東部からケンタッキー州のおよそ400km以上にわたり、ほぼ単一と見られる長寿命のスーパーセル積乱雲がレーダーで観測されました。竜巻の強さを表す指標で2番目に強い「EF4」の竜巻2個を含む多数の竜巻被害が発生しました。
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