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電気自動車が立ち往生した時の寒さへの対処法と電力消費量

2022/01/10 09:42 ウェザーニュース

大雪によって車が長時間立ち往生してしまったら…ドライバーが不安に思うのは、寒さへの対応と燃料がどれくらい持つかです。とりわけ、暖房に多くの電気を消費すると言われる電気自動車(EV)の場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

暖房の使用条件の違いでEVの電力消費量はどう変わる?

興味深い実験データがあります。

JAFユーザーテストにおいて、暖房の使用条件の違いでEVの電力消費量はどう変わるかを検証しました。

同一車種のEV4台を用意してそれぞれモニターに乗ってもらい、夜7時~深夜0時までの5時間、異なる暖房使用条件を設けて実験した結果は、次表のとおりとなりました。
(※全車両の電力残量を70%に揃えた状態で実験を行っています)
暖房の使用条件と電力残量 ※全車両の電力残量は70%から開始

暖房器具とエアコンを適宜活用

エアコンを継続使用したテスト車【1】はかなり電力を消費しましたが、電気毛布を用いたテスト車【2】は電力が多く残りました。けれど、テスト車【2】~【4】ともモニターは体の部分的な冷えに耐えながら寒さをしのいだとコメントしていますから、厚手の毛布や携帯コンロ、防寒着などの用意も忘れずに。

「電力消費量が少ない暖房器具や純正シートヒーターなどを併用して、寒さを感じたらエアコンを使うなどすれば、体への負担を減らせそう」と『JAF Mate』編集部は考察しています。

EVは、車内で電気毛布が使える!

電気を節約しなければならないのに電気製品を使っていいの? と思いがちですが、一般的な電気毛布の消費電力は20W~50Wです。

EVは電気を取り出せるのが利点ですから、エアコンを作動させるよりも、あえて弱電力の暖房器具を使って暖をとることで、電気残量を残すことができるというわけです。

ポータブルバッテリーが便利

オートバックスセブン 広報・IR部の小笠原 亮さんは「大雪の立ち往生や災害時の備えに役立つのがポータブルバッテリーです」とアドバイスします。

ポータブルバッテリーがあれば、電源がとれない場所でも電力供給が可能となり、車中泊に加え、災害時や家庭用蓄電池としても活躍します。

車内でスマホやタブレットなどのモバイル製品の充電だけでなく、電気毛布や電気ポットなど様々な電気機器に給電することが可能です。

「車での遠出前などにしっかり充電しておけば、長時間でも安心して使用できます」(小笠原さん)

2020年12月には関越自動車道で2000台もの車が動けなくなり、翌21年1月には福井県の北陸道でも立ち往生が発生したのは記憶に新しいところです。2021年12月下旬にも滋賀県の国道などで車の立ち往生が発生しています。

積雪の多いエリアへ出かけるときは必ず天気予報を確認し、防寒着、毛布などの備えを、EVの場合は弱電力の電気暖房器具も用意しておきましょう。
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参考資料など

参考資料:『JAF Mate 2021 12月号』