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週刊地震情報 2021.12.26 9日ぶりの震度3以上 北海道・日高地方中部で発生

2021/12/26 10:10 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された地震回数は前週に比べると少ない水準になっています。

本州内陸部の地震や北海道太平洋側の地震がやや目立ちました。21日(火)、北海道で9日ぶりに震度3以上を観測する地震が起き、この期間に発生した震度3以上の地震は3回です。(12月20日~26日10時の集計)

国内:北海道・日高地方でM4.8の地震

日高地方中部の地震
21日(火)1時05分頃、日高地方中部を震源とするマグニチュード4.8、深さ39kmと推定される地震が発生しました。この地震により北海道の安平町、むかわ町、浦河町などで震度3、太平洋側の地域を中心に震度1~2の揺れを観測しています。地震のメカニズムは北東ー南西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

日高地方中部は知られている活断層はないものの、マグニチュード4~5程度の浅い地震がしばしば発生しています。今年5月14日には今回の震源の北西でマグニチュード4.6、最大震度4の地震が起きています。

さらに強い地震の起きることもあり、1932年には沿岸部でマグニチュード6.9、1930年には内陸部でマグニチュード6.0の地震の記録があります。

国内:栃木県北部で最大震度3の地震

栃木県北部の地震
25日(土)9時31分頃、栃木県北部を震源とするマグニチュード3.7、深さ約10kmを震源とする地震が発生しました。この地震で福島県下郷町で最大震度3を観測、そのほか、福島県白河市や棚倉町、栃木県那須塩原市などで震度2を観測しています。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。

栃木県北部では日光周辺が最も地震の多い地域です。今回の震源となった那須周辺でも時々地震は起きており、今年5月にマグニチュード4.2、最大震度3の地震が発生しました。今回の震源付近では那須野原西縁に伸びる関谷断層が知られています。ただ、関谷断層の活動は西側隆起の逆断層であるのに対し、今回は横ずれ型であるため、断層そのものの活動ではないと見られます。

政府の地震調査研究推進本部は関谷断層の今後の活動について、マグニチュード7.5程度の地震が想定されるものの、30年以内に発生する確率はほぼ0%としています。

世界:アメリカ・カリフォルニアの沖でM6.2

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は4回発生しています。最も大きな地震はアメリカ・カリフォルニア州の沖とフィジー近海で発生したマグニチュード6.2です。

日本時間の21日(火)早朝にアメリカ・カリフォルニア州の沖合を震源とするマグニチュード6.2、深さ約15kmと推定される地震が発生しました。震源が比較的浅かったものの、規模がそれほど大きくないことや、地震のメカニズムが横ずれ型であったことから、津波の発生はありませんでした。

地質調査所では震源近傍で改正メルカリ震度階級のⅦの揺れがあったと解析しています。厳密な比較はできないものの、日本の気象庁震度階級に換算すると震度4から震度5弱程度に相当する揺れとみられます。震源の近くには市街地がなかったため、大きな被害の報告はありません。

今回の震源は北米プレートと太平洋プレートの間に挟まれた小さなファンデフカプレートの南端付近です。東西に伸びるプレート境界では今回と同様の横ずれ型の地震がしばしば発生していて、2016年にはマグニチュード6.6、1994年にはマグニチュード7.1の大きな地震も起きました。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。