寒い時期、大人にも子どもにもありがたい甘酒ですが、そもそもどんな飲み物なのでしょうか。
甘酒の原料は米麹か酒粕の2種類
まず、甘酒の歴史などについて、宮城大学食産業学群の金内誠教授(発酵・醸造学)にお尋ねしました。
「市販されている『甘酒』の原料には、大きく分けて米麹と酒粕の2つがあります。甘酒の歴史について簡単に紹介します。
米麹から造られた甘酒は、古代に書かれた『日本書記』によると、木花咲耶姫(このはなさくやひめ)が造ったのが、甘酒(天甜酒)の最初であるとされています。
夏場の江戸市中に甘酒売りが登場し、暑い日中、今よりも栄養状態が悪い当時のこと、栄養補給として飲まれていたので、いつのころからか夏の風物詩となりました。甘酒は俳句の世界では、『夏の季語』ともされているのです。
一方の酒粕は、『糟湯酒(かすゆざけ)』として、『貧窮問答歌(ひんきゅうもんどうか)』のなかで、山上憶良(やまのうえのおくら)が書いており、これが酒粕甘酒の原型と考えられます」(金内先生)
最近は、甘酒の健康効果に注目が集まり、米麹や酒粕を原料にしたさまざまな商品が販売されるようになりました。
「発酵学者の小泉武夫先生も甘酒を『飲む点滴』と表現するほど、いいことずくめの飲み物です。
特に米麹を原料とした甘酒には、ビタミンB群やアミノ酸がバランスよく含まれ、胃腸に優しく、お通じもよくなり、お肌にもいいとされています。さらに、砂糖を加えなくとも自然の甘みをもって低カロリーであることも、人気の理由となっています」(金内先生)
「市販されている『甘酒』の原料には、大きく分けて米麹と酒粕の2つがあります。甘酒の歴史について簡単に紹介します。
米麹から造られた甘酒は、古代に書かれた『日本書記』によると、木花咲耶姫(このはなさくやひめ)が造ったのが、甘酒(天甜酒)の最初であるとされています。
夏場の江戸市中に甘酒売りが登場し、暑い日中、今よりも栄養状態が悪い当時のこと、栄養補給として飲まれていたので、いつのころからか夏の風物詩となりました。甘酒は俳句の世界では、『夏の季語』ともされているのです。
一方の酒粕は、『糟湯酒(かすゆざけ)』として、『貧窮問答歌(ひんきゅうもんどうか)』のなかで、山上憶良(やまのうえのおくら)が書いており、これが酒粕甘酒の原型と考えられます」(金内先生)
最近は、甘酒の健康効果に注目が集まり、米麹や酒粕を原料にしたさまざまな商品が販売されるようになりました。
「発酵学者の小泉武夫先生も甘酒を『飲む点滴』と表現するほど、いいことずくめの飲み物です。
特に米麹を原料とした甘酒には、ビタミンB群やアミノ酸がバランスよく含まれ、胃腸に優しく、お通じもよくなり、お肌にもいいとされています。さらに、砂糖を加えなくとも自然の甘みをもって低カロリーであることも、人気の理由となっています」(金内先生)
甘酒にアルコールは含まれる?
「酒」と名が付くからには甘酒にもアルコールが含まれているのでは? と、気になる人も少なくないでしょう。どうなんでしょうか。
「米麹から造られる甘酒にはアルコールを含まれませんので、お子さんでも安心して飲むことができます。
一方、酒粕を原料にした甘酒は、注意が必要です。酒粕そのものには約8~10%のアルコールが含まれています。加熱の段階でアルコール分の多くは飛んでしまいますが、原料表示に『酒粕』と表記されている市販の甘酒は、おおむね1%未満のアルコールを含んでいる可能性があると考えてください。
とはいえ、酒税法の規定で酒と分類されるのは『アルコール度数が1%以上のもの』ですので、市販されている酒粕由来の甘酒もほとんどは、これに含まれない『ノンアルコール飲料』ということになります。
ちなみに、道路交通法の『酒気帯び運転』の基準は、呼気検査でアルコール濃度が0.15%以上とされていますが、アルコール度数が1%未満だからといって、酒粕由来の甘酒を大量に飲んだり、アルコールに過敏な体質の方は基準の数値を超えてしまう可能性があります。“甘酒のアルコール度数は低いから”と、安心しないことが大切です」(金内先生)
さらに、神社で供される甘酒も同様に、お子さんや車を運転する人はアルコールに注意が必要だといいます。
平安時代に創建した東京の神社の宮司さんは、「神社などで振る舞われている甘酒は米麹から造られたものが多いですが、地域によって異なることもあるので、原料が気になる場合は、直接確認するようにしてください」と話します。
また、手造りされたものは“アルコール度数が1%以下”と正確に測定、確認するのは簡単ではありません。
「手造りだと、場合によっては通常の甘酒よりも高いアルコールが残っている可能性があるので、車を運転する場合やお子さんは、米麹由来に間違いないもの以外は、飲まないようにしましょう」(金内先生)
米麹由来の甘酒は真冬の屋外で冷え切った体を温めるだけでなく、栄養豊富な飲み物として造り続けられてきたものであることがわかりました。初詣の折には温かい甘酒を、古い歴史や文化の香りも感じながら味わってみてはいかがでしょうか。
>>全国の初詣情報
>>お天気ニュースをアプリで読む
「米麹から造られる甘酒にはアルコールを含まれませんので、お子さんでも安心して飲むことができます。
一方、酒粕を原料にした甘酒は、注意が必要です。酒粕そのものには約8~10%のアルコールが含まれています。加熱の段階でアルコール分の多くは飛んでしまいますが、原料表示に『酒粕』と表記されている市販の甘酒は、おおむね1%未満のアルコールを含んでいる可能性があると考えてください。
とはいえ、酒税法の規定で酒と分類されるのは『アルコール度数が1%以上のもの』ですので、市販されている酒粕由来の甘酒もほとんどは、これに含まれない『ノンアルコール飲料』ということになります。
ちなみに、道路交通法の『酒気帯び運転』の基準は、呼気検査でアルコール濃度が0.15%以上とされていますが、アルコール度数が1%未満だからといって、酒粕由来の甘酒を大量に飲んだり、アルコールに過敏な体質の方は基準の数値を超えてしまう可能性があります。“甘酒のアルコール度数は低いから”と、安心しないことが大切です」(金内先生)
さらに、神社で供される甘酒も同様に、お子さんや車を運転する人はアルコールに注意が必要だといいます。
平安時代に創建した東京の神社の宮司さんは、「神社などで振る舞われている甘酒は米麹から造られたものが多いですが、地域によって異なることもあるので、原料が気になる場合は、直接確認するようにしてください」と話します。
また、手造りされたものは“アルコール度数が1%以下”と正確に測定、確認するのは簡単ではありません。
「手造りだと、場合によっては通常の甘酒よりも高いアルコールが残っている可能性があるので、車を運転する場合やお子さんは、米麹由来に間違いないもの以外は、飲まないようにしましょう」(金内先生)
米麹由来の甘酒は真冬の屋外で冷え切った体を温めるだけでなく、栄養豊富な飲み物として造り続けられてきたものであることがわかりました。初詣の折には温かい甘酒を、古い歴史や文化の香りも感じながら味わってみてはいかがでしょうか。
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