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赤・緑・金・白のクリスマスカラーに込められた意味とは?

2021/12/23 14:38 ウェザーニュース

今年もまた、クリスマスの季節がやってきました。街では11月からクリスマスに向けた年末商戦が展開され、12月に入るとショッピング街のショーウインドウは赤・緑・金・白のクリスマスカラーで彩られます。

サンタクロースの衣装は赤と白、クリスマスリースもこの4色を中心に飾られますが、この色は何を表しているのでしょう?

宮城県大崎市の古川福音自由教会で牧師を務める門谷信愛希(かどたに・のぶあき)さんにお伺いしました。

赤=尊いキリストの血を表現

日本の寺社仏閣、とくに神社などには青・赤・黄・白・黒の5色が多く使われています。

これは神道や仏教が、中国の自然哲学である陰陽五行説の影響を受けているためで、青(緑)は木、赤は火、黄は土、白は金、黒(紫)は水を表しています(5色=自然界を構成する要素)。5色は七夕の「五色の短冊」・鯉のぼり・神輿などの配色にも使われ、すっかり生活に溶けこんでいますね。

実は、キリスト教の世界でも、赤・緑・金・白のいわゆるクリスマスカラーには、それぞれユニークで重要な意味があります。

「教会ではクリスマスの4週間前からクリスマスまでを〈アドベント〉と呼んでいます。これは主を〈待ち望む期間〉とされています。このためクリスマスの1ヵ月程前から、飾りつけを始める習慣が根づいたのです。

赤・緑・金・白のなかで、最初に目に飛び込んでくるのは、赤ではないでしょうか。これはキリストの血を表しています。人々の罪をすべて背負って十字架で流した血。つまり赤はキリストの犠牲精神であり、その愛と寛大の象徴でもあるのです。それゆえキリスト教では、赤がテーマカラーとなっています」(門谷さん)

緑=永遠の命・神の永遠の愛の象徴

続いて緑。一番クリスマスらしい配色は、赤と緑の組み合わせではないでしょうか。緑のヒイラギの葉と赤い実は、クリスマスを演出するもっともポピュラーなアイテムです。白い箱に赤や緑のリボンがかけられたクリスマスプレゼント、見ただけでドキドキしてきますね。

「緑は赤を引き立てる落ち着いた色です。緑といえば、クリスマスツリー。これには1年中葉が落ちない常緑樹のモミの木が使われます。

ヨーロッパでは三角形の樹形が、信仰・希望・慈悲を表すとされ、葉は十字架にも見立てられています。

緑には強い生命力への願いが込められ、葉が落ちないことから永遠の命・神の永遠の愛の象徴ともなってきました」(門谷さん)

金=「光」や「王権」を表す

クリスマスツリーの最上部を飾る金の星。これはトップスターといわれ、『新約聖書』のなかで、キリスト誕生を「東方の三博士」に知らせた「希望の星」を表しています。

この東方の三博士はベルレヘムに導かれ、赤ちゃんのキリストに黄金を献上しました。

「金もキリスト教では重要な色です。でも、金銭や豪華さを表すものではありません。これは〈光〉や〈王権〉の象徴。『新約聖書』ではキリストが誕生したとき、天使たちが夜空に現れて賛美したと記されます。

つまりキリストは、混沌とした世界、闇夜を照らす〈光〉としてこの世に生まれてきたのです。東方の三博士が黄金を献上したのは、キリストが王であることの証です。

世俗的な意味での王ではなく、人々を救うために命を投げ出した救世主である人類の王なのです」(門谷さん)

白=罪や汚れのない純粋無垢を代弁

クリスマスといえば雪。雪は純白で汚れのない世界を演出してくれます。謙虚な気持ちを抱かせてくれる色ですが、新しい年がやってくる! そんな希望と力を感じさせる色でもあります。

「赤・緑・金という強い色に白が加味されると、それだけで落ち着いた雰囲気が生まれます。

白には無限の包容力があります。心が研ぎ澄まされるような気がしますね。

それは白が純粋無垢を表現しているからです。

キリスト教の世界でキリストは、「罪や汚れのない子羊のような方」とされます。罪を背負った人は、他の人を罪から救い出すことはできません。キリストは罪のない方、それゆえ人々を救うことができるのです」(門谷さん)


クリスマスカラーに満たされたクリスマス。友と人生を語り、恋人と愛を深め、家族の絆を確認する時間ですが、キリストの思いや願いが込められた色からはパワーをもらうことができます。大切にしたい習慣ですね。

ところでクリスマスツリーを飾る丸いボール。なんていうかわかりますか? これはオーナメントボールやクーゲルと呼ばれ、昔は丸いリンゴを飾っていました。アダムとイブが食べた知恵の木の実です。オーナメントボールはその代わり。

クリスマスのアイテムには、すべてに意味があるのです。
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