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スタッドレスタイヤの性能を引き出す「慣らし走行」のメリット

2021/12/20 06:31 ウェザーニュース

師走も押し迫り、ドライバーにとって気になるのは降雪です。雪道や凍結路でスリップしないように、新品のスタッドレスタイヤの購入を考えている方も多いかもしれません。

ただ、雪が降る直前の履き替えでは遅いかもしれません。スタッドレスタイヤの性能を最大限に引き出すためには、慣らし運転(走行)が必要なのです。

慣らし走行の2つのメリット

慣らし走行とは、新品タイヤに履き替えた車を一般道においてある程度の距離を走らせてあげることです。

オートバックスセブン 広報・IR部の小笠原亮さんに慣らし走行の意味について伺いました。

「タイヤの製造過程において金型からタイヤを抜いたとき、表面に少し硬めのゴムの薄皮が残ります。

本来、スタッドレスタイヤは気泡を含んだゴムを採用し通常のタイヤよりやわらかくすることで路面への接着度をアップさせているのですが、タイヤの表面が硬い皮のままだとベストパフォーマンスが引き出せません。

そこで、慣らし走行によってその薄皮がなくなるまで摩耗させる“皮むき”をしてやることが推奨されています」

慣らし走行のメリットは、(1)タイヤの表皮がとれて本来のゴムのグリップが発揮されるほか、(2)ドライバーがタイヤの性能に慣れることで、安全走行にもつながるのです。

慣らし走行に必要な距離は?

ではいったい、どれくらいの距離をどのように走行すればよいのでしょうか?

「一般的には走行速度50~60km/hで走行距離100~200kmが目安となりますが、タイヤメーカーによって慣らし走行の距離は異なるので、メーカーの数値を参考にしてください」(小笠原さん)

急発進、急ブレーキ、急加速などの手荒な運転はNGです。偏摩耗を引き起こしてグリップ性能が落ち、タイヤの寿命を短くしてしまうことになりかねません。

今でも慣らし走行は必要?

「近年はタイヤの性能が向上しているため、慣らし運転をしない場合でも一定の性能を発揮してくれますが、ひと皮むいてやると、降雪時には本来のパフォーマンスを発揮します。

タイヤの性能を最大限に発揮するためには、長期天気予報を参考にしながら、慣らし走行をする期間も計算に入れて、タイヤを購入するとよいでしょう」と小笠原さんはアドバイスします。

今冬の雪のピークは1月後半と予測され、強い寒気が南下して冬型の気圧配置が強まれば大雪となるおそれがあります。それまでに余裕をもって対処しておきましょう。

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