季節の言葉「冬至、冬中(ふゆなか)、冬始め」
~本格的な冬が始まる~
「冬至、冬中、冬始め」という諺(ことわざ)があります。
冬至は、暦の上では冬の真ん中ですが、本格的な冬の寒さや厳しさは、冬至のころから始まる、という意味です。
なるほどと、納得できる人が多いのではないでしょうか。冬至に行われるさまざまな風習は、来(きた)る寒さに備えるためでもあります。
たとえば柚子湯(ゆずゆ)は、ひびやあかぎれを治し、血行を改善し、風邪の予防に役立つといわれます。さわやかで心地よい柚子の香りは疲れた心身を癒やしてくれます。
カボチャを食べる風習もあります。貯蔵のきくカボチャは、野菜の乏しい時季の貴重なビタミン源でもありました。
冬至は、暦の上では冬の真ん中ですが、本格的な冬の寒さや厳しさは、冬至のころから始まる、という意味です。
なるほどと、納得できる人が多いのではないでしょうか。冬至に行われるさまざまな風習は、来(きた)る寒さに備えるためでもあります。
たとえば柚子湯(ゆずゆ)は、ひびやあかぎれを治し、血行を改善し、風邪の予防に役立つといわれます。さわやかで心地よい柚子の香りは疲れた心身を癒やしてくれます。
カボチャを食べる風習もあります。貯蔵のきくカボチャは、野菜の乏しい時季の貴重なビタミン源でもありました。
冬至って、どんな時季?
「寒影(かんえい)」が教えてくれること
寒々とした影法師や物の影を「寒影」といいます。
寒さが厳しい頃に地面に映る自分の影法師はいかにも寒影という感じがしますが、冬の日だまりの中を一緒に歩いてくれる友ととらえることもできます。
「背中が丸まってるじゃないか。寒いけど、背筋を伸ばそう」
寒影はそんなことも思わせてくれます。冬至の第1日目は、1年で影が最も長い日です。冬至に自分の影を観察してみるのも楽しそうです。
年の瀬の「数え日」をどう過ごすか
今年もあと何日と、指折り数えるほど暮れが押し詰まることや、その押し詰まった日のことを「数え日」といいます。
子供たちは、「もういくつ寝るとお正月」と楽しみに待つ時期かもしれません。一方、大人は「今年もあと何日しかない」と、心中焦りつつ、過ごすことでしょう。
慌ただしい時期ですが、心の持ち方や段取りの仕方などで、ずいぶん違ってくるものです。備えるべきことは備え、ゆったりした心持ちで数え日を過ごしたいものです。
元日の朝に静かに広がる「初明り」
元日の明け方の光を「初明り」といいます(「初明かり」などとも書きます)。
初日が登る前、すでに空には、初明りが広がっているのです。「初明り」は新年の季語で、多くの俳人に詠まれています。
一句、紹介しましょう。
初あかり そのまま命 あかりかな
能村 登四郎(のむら としろう)
身の引き締まるような寒さの中で見る初明りは、生きている実感や、1年の希望を感じさせてくれるものです。
そんな感覚が、よく表現されている句だと思います。初日の出を見る時は、その前に初明りを味わうこともお忘れなく。
現在の太陽暦では、冬至の期間は年の瀬から新年へ移り変わる時期にあたります。健康に気をつけて1年を締めくくり、気持ちよく新年のスタートをむかえましょう。
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参考資料など
監修/山下景子:作家。『二十四節気と七十二候の季節手帖』(成美堂出版)や『日本美人の七十二候』(PHP研究所)など、和暦などから日本語や言葉の美しさをテーマとした著書が多数ある。