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アメリカで竜巻多発し大きな被害 季節外れの暖かさと強い寒気の影響

2021/12/12 12:28 ウェザーニュース

現地時間の10日(金)夜から11日(土)にかけて、アメリカ南部を中心に竜巻が多発しました。

この時期としては記録的な暖かさだった所に強い寒気が南下した影響で大気の状態が非常に不安定になり、積乱雲が急速に発達したとみられます。

記録的な高温と強い寒気の影響

アメリカ南部には南西から暖かな空気が流れ込んで、記録的な高温となりました。テキサス州ヒューストンでは現地時間の9日(木)と10日(金)の最高気温が30℃近くまで上がっています。

こうした記録的な暖かさになっていた所に、上空5500m付近で-30℃以下の強い寒気が南下してきたため、大きな温度差によって活発な前線が形成され、前線に沿うような形で積乱雲が急速に発達。周辺で竜巻が次々に発生したとみられます。

アメリカ南部はもともと竜巻が発生しやすい地域ですが、初夏から夏にかけてがハイシーズンで、この時期に大きな被害が出るケースは多くはありません。冬期に1日で発表された竜巻警報は150回近くに達し、記録的な多さでした。

多数の竜巻の報告

アメリカ国立気象局が収集した竜巻等の報告
アメリカ海洋大気庁には、現地時間の10日(金)だけで400件を超える竜巻や突風などの報告がありました。これによると、ケンタッキー州からテキサス州にかけての南側のラインと、イリノイ州を含む北側のラインの大きく分けて2つの集中したエリアがあることがわかります。

ケンタッキー州では竜巻の強さを示すEFスケール(改良藤田スケール)で、6段階のうち強い方から3番目に当たるEF3に達し、瞬間的には70m/s前後の突風が吹いたとみられています。今後の調査によっては、EF4~5と判定される可能性もあります。

日本では改良藤田スケールを元に日本の建築物の状況などに合わせたJEF(日本版改良藤田スケール)が用いられています。今回のアメリカの竜巻に相当するJEF3は日本でも発生する可能性が十分にあり、木造住宅が倒壊するレベルです。
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