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★12月の天体イベント★
たくさんの惑星が月に次々と接近!流星群の出現も

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2021/12/06 18:17 ウェザーニュース

すっかり冬の空気となり、星空が綺麗に輝く季節となりました。12月は流星群、月と惑星の接近など、注目の天体イベントが目白押しです。

夜の天体観測は寒いので、暖かくしてお楽しみください。

細い月が火星に大接近

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12月3日 日の出前(6時頃) 東南東の空(東京)
3日(金)の明け方、東南東の低い空で非常に細い月と火星が大接近して見えます。

日の出30分前の高度が5度前後と非常に低く、火星が1.6等級とやや暗いので、観察の難度は少し高め。次回の接近は2022年1月1日(土)です。

また、日の出後の8時20分ごろから9時40分ごろには月が火星を隠す火星食が起こります。全国で見られますが、日中の現象のため観察には天体望遠鏡が必要です。観察に挑戦する場合には太陽を直接見ないようにご注意ください。

▼3日(金)の出現時間(東京)
金星 05:06頃
月  04:56頃

月が金星・土星・木星に次々接近

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12月7日(火)~9日(木)の17時30分頃 南西の空(東京)
7日(火)の夕方から宵、南西の低空で月齢3の細い月と金星が接近して見えます。

地球照を伴った幻想的な細い月と宵の明星の共演は、数ある月と惑星の接近の中でも随一の美しさとなります。

月と金星の左上には土星と木星もあり、3惑星が同じような間隔で並んでいる光景も見ものとなります。翌8日(水)には細い月と土星が並び、翌々日の9日(木)には月と木星が接近します。日ごとに並び方や月の形が変化する様子も楽しんでみてください。

▼月や惑星の沈む時間(東京)
・7日(火)
金星 19:10頃 土星 20:31頃 木星 21:53頃 月 19:25頃
・8日(水)
金星 19:09頃 土星 20:27頃 木星 21:50頃 月 20:37頃
・9日(木)
金星 19:07頃 土星 20:24頃 木星 21:47頃 月 21:46頃

» 月の出る時刻を確認

ふたご座流星群が極大

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14日(火)21時頃 東の空(東京)
14日(火)、ふたご座流星群の活動が極大となる。極大時刻は夕方16時ごろと予測されており、前日13日(月)の宵から14日(火)明け方にかけてと、14日(火)宵から15日(水)明け方にかけての2夜が見ごろとなります。

両日とも2時ごろまで上弦過ぎの月明かりが空を照らしているため、見やすいのはそれ以降から明け方までとなります。アストロアーツ社によると、見晴らしが良いところで1時間あたり20~30個ほどの流れ星が見られるとのこと。

また、数は減るものの前後数日間も見ることができます。流れ星は空のあちらこちらに飛ぶので、街灯や月から離れた方向を中心に、なるべく広く空を見渡してみてください。

金星と水星が接近

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29日(水)17時頃 南西の空(東京)
12月下旬ごろ、夕方の西南西の低空で、水星と金星が接近して見えます。

最接近は29日(水)ごろで、5度未満まで近づき、前後数日間は双眼鏡の同一視野内で見ることができます。金星を目印にして水星を見つける好機だ。日の入り30分後の高度が10度未満とかなり低いので、西南西の空が開けたところで観察してみてください。

金星は今後、1月9日(日)の内合を経て、1月中旬ごろからは「明けの明星」として明け方の東南東の空に見えるようになります。

今年最も遠い満月

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2021年 最も近い満月と遠い満月の比較
12月の満月は、2021年に起きる満月としては最も遠い位置にあります。月は12月18日(土)11時15分に遠地点(地球から最も遠ざかる点)を通過し、翌日19日(日)13時36分に満月となります。

満月のときの地心距離(地球の中心と天体の中心の間の距離)は約40万6000キロメートル、月の視直径(角度で表す天体の見かけの大きさ)は29分26秒角です。

2021年で最も近い満月は5月26日でした。その時の満月と比較すると、視直径は約12%小さく、約22%暗くなります。

12月の満月はコールドムーン

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農事暦における満月の呼び方
12月の月は、19日(日)13時36分頃に満月の瞬間を迎えます。

アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前をつけていました。

12月は、「冬の寒さが強まり、夜が長くなる頃」ということで名付けられています。

参考資料など

『天文年鑑(2021)』誠文堂新光社
『月刊星ナビ』アストロアーツ
国立天文台「ほしぞら情報」https://www.nao.ac.jp/astro/sky/
国立天文台「暦計算室」https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/eclipsex_l.cgi

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