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乾燥の時季に要確認「初期消火」の基本 水をかけてはいけないものは?

2021/11/25 08:31 ウェザーニュース

秋から冬にかけて空気が乾燥すると、火災が発生しやすくなります。久しぶりに暖房器具を使うため、間違った使用法やスイッチの切り忘れなどが原因の一つとなっているのです。

火災シーズンを迎える前に、あらためて初期消火の基本を身につけておきましょう。

火災における初期対応の3原則

総務省消防庁によると、火災発見時は次の順番で行動する必要があります。

(1)周りに知らせる
非常ベルを鳴らす、「火事だ!」と叫ぶなどの方法で、近くの人に火災の発生を伝えるのが第一です。同時に119番へ通報しましょう。

(2)消火活動を行う
火が天井に達していなければ、初期消火が可能です。消火器や水、毛布などで火を消しましょう。

(3)安全に逃げる
火が天井へとどいたら、自力での消火は不可能になります。部屋や建物のドアを閉めて避難してください。

もちろん、状況によって優先度は異なりますので、逃げ遅れないように、あわてず冷静な判断を心がけましょう。

初期消火の基本を身につけよう

木造家屋から出火すると、平均して20分で全焼すると言われています。その20分の中で、初期消火ができるのは、出火してから約2分間です。それ以上経つと、火はカーテン、家具、壁などを伝って天井へ到達します。

火が天井までとどいた火災は、消防隊でなければ対応できません。大切な物を持ち出したい衝動に駆られても諦め、迅速に避難してください。

初期消火の基本は、<出火から2分以内に行うこと>と、<消火器を使うこと>です。

自宅や会社に常備してある消火器の種類(何が燃えているときに使えるか絵で表示してある)を把握し、次に方法で使いましょう。

消火器を使うときの注意点

ウェザーニュースが消火器に関するアンケート調査を行ったところ、「持っていない」が全体の49%、持っていても「有効期限が切れている」が13%で、正常に使える状態の人はたったの38%でした。

オフィスや家庭に常備してある消火器は、万能タイプの粉末消火器です。万が一の時に備えて、準備しておくのはもちろん、使い方を覚えておきましょう。

(1)安全ピンを上に抜く
上部の丸い安全ピンに指をかけ、上へ引き抜きます。

(2)ホースを外して持つ
本体からホースを外して片手で先端を持ち、火元へ向けます。

(3)レバーを握って噴射
残った片手でレバーを強く握り、消火剤を噴射します。

消火剤を放射するときは、出口に背を向けた状態で、腰を落として、火元を掃くように左右に振ります。放射時間は15~20秒と短いので、火元から7~8メートルまで近づいてから1~3の操作を行ってください。

また、身を守るために、風上から放射しましょう。あらかじめ逃げ道を確認し、出入口を背にしておくと安全です。

水での消火NGとは

近くに消火器がなければ水をかけることになりますが、なんでもかけてよい、というわけではありません。

自衛隊がいざという時に役立つ知識を伝える「自衛隊LIFEHACK CHANNEL」では、水をかけていけないものをクイズ形式で紹介しています。皆さんは答えられますか?

Q/次の3つうち、水をかけてはいけないものは?

(1)カーテンから出火、(2)電気タップから出火、(3)鍋の油から出火


正解は、(2)と(3)です。

まず、フライパンの揚げ油や石油ストーブなど、油による火災に水をかけてはいけません。一瞬で水が沸騰して火柱(ひばしら)が上がります。濡れた毛布などで覆って炎を消してから、元栓を閉めましょう。

次に、テーブルタップなど電気製品からの火災は、コンセントを抜いたり、ブレーカーを落として電流を止めてからでないと、水をかけてはいけません。感電するので危険です。

火災は一瞬で家財のすべてを失うので、日頃から火の取り扱いに注意する必要があります。家庭用消火器がない人はこの機会に設置し、使い方を覚えておきたいものです。

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参考資料など

総務省消防庁「防災・危機管理eカレッジ」(https://www.fdma.go.jp/relocation/e-college/)、自衛隊「LIFEHACK CHANNEL」(https://www.youtube.com/watch?v=vlz6xt1MWx8)、東村山市「火災発見時の対応」、舞鶴市「初期消火について」