笠雲は、富士山のような独立峰の山頂付近に現れる雲です。山が笠を被っているように見えることから笠雲と呼ばれます。
　・「上空の風が強い」
　・「湿った空気が存在する」
という気象条件の時に発生しやすくなります。

強い風が山にぶつかると、両側や上方に風の流れが変わります。空気が湿っていると、空気が山にぶつかって持ち上げられると膨張して冷えることで雲ができ、山頂の風下側では再び空気が下ることで空気が暖まって雲が消える、という原理で山頂付近にだけ雲ができるのです。

時間が経過しても空気の流れは急には変化せず、風が上昇する過程で雲が出来て、風が下降する過程で雲が消えていくという現象を絶え間なく繰り返すことによって、同じ場所で雲が止まって見えるのです。

笠雲は低気圧や前線が接近する際に現れることが多く、天気下り坂を示唆するとよく言われていますが、今日は富士山周辺では一日を通して晴天が続く見込みです。

静岡県御殿場市から撮影された今朝7時過ぎまでのタイムラプス動画を見ると、山頂を隠すように大きな雲ができては消えて、とどまっているように映っています。その上には、薄くて横幅のある雲が二重から三重へと変化し、最後にはひとつの雲へとまとまりました。

今日は、上空の気圧の谷の接近と山頂付近では25m/s近い強風が吹いていることが重なり、笠雲が見られたと考えられます。富士山周辺は週末もスッキリと晴れる予想なので、見ごろを迎えた紅葉と雪化粧の富士山を望むことができそうです。
＞＞紅葉情報や週間天気をアプリで見る