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すき焼きがおいしい時期、割り下を作る時の黄金比とは

2021/11/12 15:36 ウェザーニュース

秋の気配が深まり、みんなで囲む鍋物などの温かい食べ物が恋しくなる時季がやってきました。とくにすき焼きの割り下から漂ってくるおいしそうな香りは、思い浮かべただけでも食欲を刺激してくれるものです。

すき焼きには地域や家庭によって色々とこだわりの食べ方がありますが、和食の名店として名高い『分とく山』(わけとくやま・東京都港区)総料理長の野﨑洋光(のざきひろみつ)さんによるオススメは、「甘辛ダレ」の割り下です。

その割り下の調合には、黄金比とされる調味料の比率が存在するそうです。おいしい牛肉がよりおいしくいただける“すき焼きの割り下の黄金比”について、教えていただきます。

「割り下地」が由来

そもそも割り下とはどんなものなのでしょうか。

「割り下は料理の用語で、鍋物や丼物などに用いるだし汁に醤油、砂糖、みりんなどの調味料を加えて煮立てた汁のことで、『割り下地』の略語です。割りはウイスキーの『水割り』と同じ用法で“ほかの調味料などを加える”という意味。下地は“味付けの元となるもの”で、日本料理ではとくに醤油を指すことが多いです。

割り下は鶏鍋やドジョウ、ウナギの柳川鍋といった鍋物のほか、親子丼やカツ丼などの丼物にも用いられますが、一般的にはすき焼きのたれを示す用語として使われます。脂の乗った牛肉と相性のいいすき焼き用の甘い割り下は、多くの人に好まれています」(野﨑さん)

「甘辛ダレ」の割り下の黄金比は?

すき焼きの割り下には醤油のほかにどんな調味料を用いるのでしょうか。

「味付けは地域や好みによってさまざまで、一般的には『醤油1:みりん1:酒1:砂糖0.3』が“こっくりと甘く濃い”味付けのすき焼きができ上がる比率とされています」(野﨑さん)

今回作るのは甘辛ダレで、バランスのとれた甘辛味が決まる黄金比を教えてもらいました。

「『みりん5:酒3:濃口醤油1』。これが甘辛ダレのすき焼き用割り下の比率です。甘辛く煮た具材を、溶き卵にからめると見事にマッチします」(野﨑さん)

具材を入れる順番がポイント

すき焼きをよりおいしく作る方法も教えてもらいました。

「まずは、入れる順番が重要です。しらたきを最初に入れ、よく炒めることで余計な水分を飛ばしてください。その後でごぼう、焼き豆腐を入れてしらたきとからめます。

甘辛ダレの割り下を加えたら火を強めてアルコール分を飛ばしてください。そして牛肉とネギを入れて、頃合いをみて最後に春菊を加えます。

肉は一度に入れずに、少しずつ入れるのがポイントです。肉のうまみを引き出して野菜など他の具材に移しながらいただきます」


新型コロナウイルス予防の緊急事態宣言などは解除されたものの、なお家庭での食事の機会が多くなる傾向は続いています。すき焼きを黄金比の割り下を用いることで、いっそうおいしくなります。ぜひお試しください。
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