facebook line twitter mail

捨てたらもったいない? 落花生の殻の利用法3選

2021/10/28 17:03 ウェザーニュース

落花生(ピーナッツ)の今年の新豆が出回る時季になってきました。旬の落花生を香ばしく煎り上げた殻付き落花生は一段と甘みがあるので、今の時季は是非味わいたいものです。

殻付き落花生を食べるとたくさんの殻が出てきて、ゴミとして捨ててしまうことが多いと思いますが、実はこの殻がとても役に立つそうです。全国の落花生生産量の約8割を占める千葉県南房総市の農家、加藤とし子さんに、落花生の殻の3つの意外な利用法を伺いました。

(1)脱臭剤にする

「落花生の殻は細かい穴が開いていて、スポンジが固くなったような構造をしています。そのため、木炭と同じようにすぐれた脱臭効果があり、また、湿気も吸ってくれるのです」(加藤さん)

どのように使えば良いのでしょうか?

「まず、細かく砕いた方が空気に触れる部分が多くなり、より効果を発揮しやすくなります。そのため、まず殻をミキサーなどで細かく砕いてから市販のお茶や鰹節などを入れる『だしパック』に入れたり、薄い紙で包みましょう。

これをタンスやシューズボックスに入れておくと、脱臭できます。靴下に入れて口を結び、靴に入れれば脱臭兼シューズキーパーにもなります」(加藤さん)

(2)吸湿剤にする

「レンジの強で5分かけてから砕いて脱臭剤と同じようにパックすると、吸湿剤として使えます。湿気を吸ったら、再度レンジにかければまた使えます。パックが面倒であれば、ティッシュの空き箱に入れて置いておくだけでも効果があります」(加藤さん)

さらに、落花生の殻には「シックハウス症候群の原因であるホルムアルデヒドを吸収する」という研究発表もあります。脱臭や吸湿だけでなく、空気をきれいにする効果もある“一石三鳥”のアイテムなんですね。

(3)土壌改良にも

落花生の殻は吸水効果も高いので、土に混ぜると土中の水分を保持することもできるそうです。

「うちの畑でも乾燥しやすい場所には2~3mmに砕いた殻を土に混ぜ込んでいます。こうすると水を撒いても殻が水分を吸って土の乾燥を防止できます。

また、殻が土に混ざって空気が入るので、土中の微生物が活動しやすくなります。最後は微生物によって、殻は分解されて肥料に変わるので、一挙両得です」(加藤さん)


今の時季だけ出回る新落花生。動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果のあるオレイン酸、リノール酸。全身の血管を強くしなやかにする働きのあるパルミチン酸、αリノレン酸も豊富な落花生をいただいて、殻も有効に利用しましょう。
» その他のニュースをアプリで見る

参考資料など

北尾奈穂子,奥平 純子,田中 恒雄,青柳 象平,内山 茂久,安藤 正典「ピーナッツ殻によるホルムアルデヒドの吸収」(大気環境学会年会講演要旨集/大気環境学会,2002)